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再生医学 ~ティッシュエンジニアリングの基礎から最先端技術まで~

再生医学 ~ティッシュエンジニアリングの基礎から最先端技術まで~

978-4-900830-96-7

¥69,300 (税込)

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発行所:(株)エヌ・ティー・エス
   

◆ 書籍概要 ◆


原書 『PRINCIPLES OF TISSUE ENGINEERING』第2版(2000年)
Academic Press(米)

原書著者
Robert P. Lanza/Robert Langer/Joseph Vacanti

発刊日:2002年1月31日
頁 数:992頁
造 本:B5
発行所:(株)エヌ・ティー・エス
ISBN :978-4-900830-96-7

■監訳
【監訳代表】
大野 典也  東京慈恵会医科大学微生物学講座第1教授・DNA医学研究所所長
相澤 益男  東京工業大学学長・大学院生命理工学研究科教授

【監訳】
梅澤 一夫  慶應義塾大学理工学部応用化学科教授
田嶼 尚子  東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科教授  
中村真理子  東京慈恵会医科大学微生物学講座第1助教授
藤井 克之  東京慈恵会医科大学整形外科学教室教授
(翻訳者全55名)

■主な目次
組織工学入門
1 増殖と分化の基本
2 組織発生のin vitro調節
3 組織と器官のin vivo合成
4 組織工学のモデル
5 組織工学におけるバイオマテリアル
6 作製された細胞や組織の移植
7 胎児組織工学
8 遺伝子治療
9 乳房
10 心血管系
11 角膜
12 内分泌学と代謝
13 消化管系
14 造血系
15 腎泌尿生殖器系
16 筋骨格系
17 神経系
18 歯周と歯科への応用
19 皮膚
20 子宮
21 規制の論点

詳細目次を表示
監訳にあたって
序言
第二版への序文
第一版への序文
組織工学の展望

組織工学入門

第1章 組織工学の歴史と展望
はじめに
科学的挑戦
全般的な科学的論点
社会的挑戦

第2章 自然模倣への挑戦
はじめに
細胞テクノロジー
細胞構築テクノロジー
生体系への統合
結びの論考


第1編 増殖と分化の基本

第3章 細胞から高次構造への組織化
はじめに
EMTにかかわる細胞の変化
形質転換の刺激
おわりに

第4章 細胞-細胞マトリックス(ECM)相互作用のダイナミックス
はじめに
ECMの構成と多様性
細胞外マトリックス分子レセプター
細胞-ECM相互作用
細胞-ECM相互作用におけるシグナル伝達
組織工学との関連性

第5章 マトリックス分子とそのリガンド
はじめに
線維コラーゲン:ECMの主要足場タンパク質
弾性線維とミクロフィブリル
フィブロネクチン:マルチドメイン,多機能の接着ECM糖タンパク質
ラミニン:大型接着性基底膜分子
細胞-マトリックス相互作用のモジュレーター
プロテオグリカン:多機能ECMと細胞表面分子
まとめ

第6章 誘導現象
はじめに
内胚葉発生における上皮から間葉へのシグナリング
肺発生と教示的情報伝達
膵臓発生における許容的なシグナリング

第7章 形態形成と組織工学
はじめに
骨形成因子
軟骨由来形態形成因子
細胞外基質への統合
骨形成以外の作用
BMP受容体
応答する幹細胞
形態形成と遺伝子治療
生体材料
骨と関節の組織工学
将来への展望

第8章 細胞の決定と分化
はじめに
肺発生期におけるMRFの役割
骨格筋発生の始まり


第2編 組織発生のin vitro調節

第9章 組織発生の機械的決定因子と化学的決定因子
はじめに
細胞外マトリックス構造と機能
細胞外マトリックスの再構築によるパターン形成
増殖あるいは分化への機械化学的誘導
まとめ

第10章 動物細胞培養

第11章 細胞マトリックスタンパク質による細胞挙動の調整
はじめに
細胞マトリックスタンパク質
おわりに

第12章 増殖因子
はじめに
創傷治癒
塩基性繊維芽細胞増殖因子と血管新生
増殖因子とサイトカインの他の役割
おわりに

第13章 組織工学バイオリアクター
はじめに
細胞-ポリマー構造物
バイオリアクター技術
組織形成のバイオリアクター制御
機能的組織のバイオリアクター培養
組織工学バイオリアクター:最先端技術
まとめと研究の必要性

第14章 微小重力下での組織構築
はじめに
新しい組織培養の場としての微小重力
脈管化:組織構築におけるサイズ制限の打開
宇宙における単一の細胞から組織へ
in vitro発生学
重力感知機構
注意すべき事
おわりに


第3編 組織と器官のin vivo合成

第15章 組織と器官のin vivo合成
機能的な欠損の規模:巨大分子対器官
in vivoでの器官合成中の生体環境についての基礎的パラメータ
組織や器官の再生鋳型に対する基本的デザインの原理
in vivoでの器官合成例
まとめ


第4編 組織工学のモデル

第16章 工学組織の臓器的・組織的モデル
はじめに
コラーゲンゲルモデル
コラーゲン格子中での細胞相互作用のモデル
上皮-間葉モデルの他の型式
血管モデル
モデル系のためのゲル以外の骨格の選択
細胞のシグナルと骨格の強化
モデル組織と器官構築の目標と利用

第17章 組織工学の定量的側面―動力学,輸送,力学の基本的問題点
はじめに
細胞との分子的相互作用
組織中の分子と細胞の輸送
細胞と組織の力学


第5編 組織工学におけるバイオマテリアル

第18章 細胞とその周囲の環境のパターニング
はじめに
軟性リソグラフィ 211
自己集合化単分子膜
微細接触プリンティング
微小流動のパターニング
薄層流パターニング
結論と将来の展望

第19章 細胞とポリマーの相互作用
はじめに
細胞とポリマーの相互作用の解析方法
細胞とポリマー表面との相互作用
細胞とポリマーの三次元足場およびゲルとの相互作用

第20章 マトリックスの効果
はじめに
細胞外マトリックスタンパク質とレセプター
マトリックス相互作用の研究に対するモデル系
基材のパターニングによる細胞のパターン形成
細胞外マトリックスを介したシグナル伝達と機能調節
役に立つバイオマテリアル系への変換

第21章 ポリマー足場の加工
はじめに
繊維の融着
溶媒キャストと粒子状物の溶出
膜の積層化
溶融成形
押出成形
三次元印刷
発泡成形
凍結乾燥
相分離
ポリマー/セラミックスのコンポジット発泡体
in situ重合
おわりに

第22章 生分解性ポリマー
はじめに
生分解性ポリマーの選択基準
生物学的に誘導されたバイオ再吸収性材料
実験に基づく生物学的に誘導されたバイオ再吸収剤
組織工学生産物のための材料の創製
おわりに

第6編 作製された細胞や組織の移植

第23章 工学細胞・組織の移植へのアプローチ
はじめに
実行戦略の展開
作用様式-重要なデザイン上の考察
宿主の役割
細胞の供給源
非自己由来細胞の免疫学
安全性の配慮
おわりに

第24章 凍結保存
はじめに
組織工学における凍結保存技術の応用
凍結保存プロトコール発展への挑戦
細胞の低温生物学
組織の低温生物学
まとめと将来の方向性

第25章 免疫学的修飾
はじめに
設計組織という概念の起源
設計組織研究の応用拡大
クラスⅠ抗原除去あるいは抗体被覆を施した移植片の生着機序
米国における免疫学的修飾を応用したヒト臨床治験の開始
遺伝子付加
RNA除去
コメント

第26章 免疫学的隔離
はじめに
テクノロジー
臨床
将来の方向性

第27章 免疫学的隔離装置の開発における技術挑戦
はじめに
技術挑戦
酸素供給制限
in situ酸素発生の理論解析
計算
おわりに

第7編 胎児組織工学

第28章 胎児組織工学
はじめに
胎児細胞の一般的特徴
移植宿主としての胎児
胎児組織工学
倫理に関する考慮
将来の展望

第29章 多能性幹細胞
はじめに
in vitroでの分化
in vitroでの分化とそのマーカーの具体例
体内in vivoでの応用
まとめと将来の展望

第8編 遺伝子治療

第30章 遺伝子に基づく治療学
はじめに
遺伝子導入
持続性遺伝子発現
遺伝子治療の安全性についての考察
大規模な産生に関する問題
おわりに

第9編 乳房

第31章 乳房再建
はじめに
軟部組織工学に必要な細胞
材料
動物モデル
人工組織への血管新生を増強させる方略
おわりに

第10編 心血管系

第32章 血管
はじめに
移植片治癒
血管移植片の開発戦略

第33章 小口径血管移植片
はじめに
合成移植片
組織工学
in vivo血管組織工学
まとめ

第34章 心臓代用弁
はじめに
生体弁の歴史
1999年現在の生体弁の現況
支柱(ステント)の使用に関する問題
弁修復か置換かの問題
将来展望
最近の進歩
理想的弁修復および弁置換術

第11編 角膜

第35章 角膜
はじめに
角膜の生物学
人工角膜の基準
人工角膜の開発
適切な人工角膜の評価
角膜のわん曲を変化させるためのデバイス

第12編 内分泌学と代謝

第36章 バイオ人工膵臓
はじめに
理論的背景
実験
カプセルの開発
考察

第37章 副甲状腺
副甲状腺同種移植の歴史
副甲状腺機能低下症
微小カプセル化
アルギネート
微小カプセル化された副甲状腺組織の実験的・臨床的移植
その他のアプローチおよび展望

第13編 消化器系

第38章 消化管
はじめに
組織工学
腸細胞の単離
実験方法
考察

第39章 肝臓
はじめに
肝臓の解剖と機能
肝不全:病態生理学的分類
肝不全の発症機構
肝補助装置の医学的必要性
肝補助装置の生物学的構成成分
肝補助装置の構成

第40章 HepatAssist肝補助装置
はじめに
HepatAssist System
細胞の準備
臨床治験
おわりに

第41章 系統生物学と肝
はじめに
肝の構造と発達
組織工学のための細胞の確認,分離と出所
組織工学に用いるヒト細胞のソース
微小環境
生分解性ポリマー
バイオリアクター設計の細胞工学
組織工学における技術的問題
将来展望
まとめ

第14編 造血系

第42章 代用赤血球
はじめに
なぜ,ヘモグロビンを修飾しなければいけないのか
ヘモグロビンの原材料
修飾型ヘモグロビンの循環時間
修飾型ヘモグロビンによる代用血液の安全性
修飾型ヘモグロビン代用血液の有効性
現在の状況と将来の研究および発展

第43章 リンパ系細胞
はじめに
リンパ球エンジニアリング:現実性と可能性
結論とリンパ球エンジニアリングの未来

第44章 造血幹細胞
はじめに
造血発生の概説:組織工学に関連した造血幹細胞の特徴と制御
幹細胞区画の構成
ストローマ微小環境

第15編 腎泌尿生殖器系

第45章 腎臓代替装置
はじめに
腎機能の基礎
腎機能代替に向けた細胞工学的アプローチ
おわりに

第46章 尿路性器
はじめに
尿路性器における組織工学戦略
尿路性器組織の細胞工学
将来展望

第16編 筋骨格系

第47章 構造を司る組織の組織工学
はじめに
材料の発達
構造を司る組織
バイオメカニクス
結論

第48章 細胞工学による骨再生
はじめに
骨髄:間葉系の前駆細胞の源
骨前駆細胞の担体
間葉系幹細胞による骨再生
間葉系幹細胞と遺伝子治療
加齢に伴う骨量減少の予防
おわりに

第49章 関節軟骨損傷
はじめに
自家培養軟骨細胞移植
自家軟骨細胞移植の商業化
軟骨細胞移植に代わる軟骨修復法
おわりに

第50章 腱と靭帯
はじめに
生体工学的につくられる腱,靭帯の必要性
腱,靭帯の組織学的検討
生体工学的靭帯,腱の再建
生体工学的手法による生きた靭帯モデル
bACLの作製法およびその解析法
結論
腱・靭帯の生体工学分野での見通し

第51章 骨における力学刺激感受メカニズム
はじめに
細胞間ネットワーク
細胞間ネットワークにおける力学刺激感受
今後の研究課題

第52章 筋芽細胞移植療法
はじめに
筋芽細胞を用いた遺伝子の導入
筋疾患に対する筋芽細胞の移植療法

第17編 神経系

第53章 聴覚の保護と再生
はじめに
治療法の基礎
治療法
おわりに

第54章 視覚増幅システム
視覚システム:構造と機能(不全)
視覚再建のための実行可能なアプローチ
現行のアプローチ
工学的に処理された細胞および組織の適用:挑戦および試験的解決策
“2020”ビジョンに向けて

第55章 脳移植
はじめに
ありのままの細胞の移植
カプセル内包細胞移植
制御的放出移植片
軸索ガイド移植
対象とする疾患
外科的考察
おわりに

第56章 神経再生
神経再生と神経組織工学
神経再生の概要
ガイドチャネルの実験的使用
神経修復に対する生物材料に基づいたアプローチ
神経修復に対する組織工学からのアプローチ
神経再連絡の特異性
要約

第57章 脊髄機能障害と脊髄損傷治療のための脊髄移植
はじめに
橋渡し(axon bridge)としての脊髄移植
特定細胞置換のための脊髄移植
神経伝達物質供給のための脊髄移植

第58章 神経幹細胞
はじめに
背景
組織工学における神経幹細胞の応用
まとめ

第18編 歯周と歯科への応用

第59章 歯周組織への適用
はじめに
組織再生の誘導
代替骨
デンタルインプラント
成長因子と血漿タンパク
細胞培養技術
おわりに

第60章 象牙質の再生
はじめに
象牙質
骨形成タンパク質
象牙質の誘導能
ヒト型組換え体BMPsによる象牙質形成誘導
輸送システム
臨床的考察
追加考察
BMPによる象牙質再生の臨床応用の可能性について

第19編 皮膚

第61章 創傷の修復―組織工学のための基礎生物学
はじめに
炎症
上皮化
肉芽組織
創攣縮と細胞外基質の再生

第62章 皮膚
はじめに
皮膚の構造と機能
皮膚組織工学
表皮の再生
代替真皮
複合移植皮膚
おわりに

第63章 人工真皮
はじめに
細胞の検査と生産のための細胞バンクの確立
人工真皮の産生
クローズド製造システム
製品の特徴
創傷治癒の臨床的結果
まとめ

第20編 子宮

第64章 人工子宮
組織工学は未熟児のために何ができるか
早産とその顛末
理想的人工子宮
理想の人工胎盤のデザイン
人工子宮で維持している間の臓器の成熟
種々の人工子宮技術
結論

第21編 規制の論点

第65章 法的規制に関する考察
はじめに
法的権限/監督
製品評価と承認手続き
製品評価の最近の歩み
FDA本部と現場支部との相互関係
規範の策定
産業界とのコミュニケーション
組織工学由来医療製品についてのFDAと将来展望

おわりに

索引



執筆者一覧を表示

【監訳代表】
大野 典也  東京慈恵会医科大学微生物学講座第1教授・DNA医学研究
相澤 益男  東京工業大学学長・大学院生命理工学研究科教授

【監訳者】(五十音順)
梅澤 一夫  慶應義塾大学理工学部応用化学科教授        
田嶼 尚子  東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科教授       
中村真理子  東京慈恵会医科大学微生物学講座第1助教授        
藤井 克之  東京慈恵会医科大学整形外科学教室教授 

【翻訳者一覧】(翻訳順)
大野 典也  東京慈恵会医科大学微生物学講座第1教授・DNA医学研究所所長  
相澤 益男  東京工業大学学長・大学院生命理工学研究科教授 
三重 正和  東京工業大学大学院生命理工学研究科生命情報専攻助手 
小畠 英理  東京工業大学大学院生命理工学研究科生命情報専攻助教授 
柳田 保子  東京工業大学大学院生命理工学研究科生命情報専攻助手 
田中 孝昭  国立療養所東宇都宮病院臨床研究部長・東京慈恵会医科大学講師 
小山 純弘  海洋科学技術センター深海環境フロンティア深海環境応答研究チーム研究員 
国枝 武彦  東京慈恵会医科大学腎臓・高血圧内科医員 
亀山 道宏  鳥取大学医学部講師 
押村 光雄  鳥取大学医学部教授 
藤本 啓二  慶應義塾大学理工学部応用化学科助教授 
松村 秀一  慶應義塾大学理工学部応用化学科教授 
佐々木 敬  東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科講師 
芝  清隆  癌研究会癌研究所蛋白創製研究部部長 
左合 治彦  国立大蔵病院産婦人科医長 
田中 忠夫  東京慈恵会医科大学産婦人科教授 
関川 哲明  東京慈恵会医科大学内科学講座助手 
山田 順子  東京慈恵会医科大学・DNA医学研究所助教授 
野崎 和之  東京慈恵会医科大学小児科医員 
大橋 十也  東京慈恵会医科大学・DNA医学研究所遺伝子治療研究部門助教授 
武山  浩  東京慈恵会医科大学外科講師 
望月 正武  東京慈恵会医科大学循環器内科教授 
森田紀代造  東京慈恵会医科大学心臓外科助教授 
坪田 一男  東京歯科大学市川総合病院眼科教授 
東條 克能  東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科講師 
池田 恵一  東京慈恵会医科大学腎臓・高血圧内科助手 
西野 博一  東京慈恵会医科大学消化器肝臓内科講師 
銭谷 幹男  東京慈恵会医科大学消化器肝臓内科     
山田  尚  東京慈恵会医科大学・DNA医学研究所分子遺伝学研究部門部門長 
横尾  隆  東京慈恵会医科大学腎臓・高血圧内科助手 
川村 哲也  東京慈恵会医科大学腎臓・高血圧内科助教授 
清田  浩  東京慈恵会医科大学泌尿器科学教室講師 
小谷野康彦  東京慈恵会医科大学整形外科学講座助手 
斎藤  充  東京慈恵会医科大学整形外科助手 
吉田  衛  東京慈恵会医科大学整形外科助手 
上野  豊  東京慈恵会医科大学整形外科助手 
加藤 総夫  東京慈恵会医科大学神経生理学研究室助教授 
北原 健二  東京慈恵会医科大学眼科学講座教授 
佐野 雄太  東京慈恵会医科大学眼科学講座講師 
仲嶋 一範  東京慈恵会医科大学・DNA医学研究所分子神経生物学研究部門部門長・助教授/科学技術振興事業団さきがけ研究21研究者 
田畑 秀典  東京慈恵会医科大学・DNA医学研究所分子神経生物学研究部門助手 
浜之上 誠  東邦大学医学部生理学第2講座助手 
上田  実  名古屋大学大学院医学研究科頭頸部・感覚器外科学講座顎顔面外科学教授 
畠 賢一郎  名古屋大学医学部組織工学(J-TEC)寄附講座助教授 
鷲見 幸男  名古屋大学大学院医学研究科頭頸部・感覚器外科学講座顎顔面外科学 
水野 裕和  名古屋大学大学院医学研究科頭頸部・感覚器外科学講座顎顔面外科学 
松野  恵  名古屋大学大学院医学研究科頭頸部・感覚器外科学講座顎顔面外科学 
坂井 謙介  名古屋大学大学院医学研究科頭頸部・感覚器外科学講座顎顔面外科学 
伊藤 優子  名古屋大学大学院医学研究科頭頸部・感覚器外科学講座顎顔面外科学 
日比野祥敬  名古屋大学医学部組織工学(J-TEC)寄附講座助手 
和田 圭祐  名古屋大学大学院医学研究科頭頸部・感覚器外科学講座顎顔面外科学 
江畑 俊哉  東京慈恵会医科大学附属第三病院皮膚科講師 
上出 良一  東京慈恵会医科大学皮膚科学講座助教授 
延山 嘉眞  東京慈恵会医科大学皮膚科学講座助手 
石地 尚興  東京慈恵会医科大学皮膚科講師 




趣旨を表示

監訳にあたって

 21世紀の初頭に至り,生物学の基盤を形成している基礎知識は急速に変容している。生物学の基本原理をもとに組み立てられている医学と,医学の実践形態である医療が,近い将来変貌することは当然の帰結と言える。実際的な医療のかたちとして組織工学や再生医学が利用されるに至って,初めて国民一人ひとりが学問の進歩を享受することが可能となる。組織工学や再生医学がもたらすであろう治療効果の恩恵を心待ちにしている患者は,多数存在している。本書はその日の到来を一日でも早めるために,わが国の関係諸氏の日々の活動に役立てていただくことを目的に翻訳されたものである。
 分子生物学の進展と,遺伝子解析の手法および遺伝子発現の調節機構への理解から,機能を有する微量タンパク質の構造と機能を遺伝子レベルより解析する方法が開発された。その過程で発展を遂げた各種の技術の応用により,細胞生物学と組織培養法や各種成長因子への理解が深まり,ことに,発生と分化に関する学問知識は急速な発達を遂げた。stem cell(幹細胞)という概念の確立,神経細胞の再生,さらには脳の実質細胞の再生やヒト神経系の幹細胞系樹立成功など,従来の常識を書き換える発見が数多くなされている。そのうえになし遂げられた高分子化学の発達と材料工学の目覚ましい進展は,組織工学から再生医療の分野に至るまで,革命をまさに起こそうとしている。
 この時にあって,この分野の第一任着であるAdvanced Cell Technology社のRobert P.Lanza,マサチューセッツ工科大学のRobert Langer,そしてハーバード医科大学のJoseph Vacanti博士らにより,本書の原本であるPrinciples of Tissue Engineeringの第二版が2000年に出版された。同じ題名の第一版が出版されたのは1997年であり,この3年間に学問分野が急速に進展したことを受けて,第二版は大幅に改訂されている。ことに臨床応用のための人体での治験の結果やその
中問報告等を多く網羅しているのが特徴である。
 本書は,まず再生医学と組織工学の歴史を踏まえての将来展望から,細胞の分化と増殖,生体内での組織発生の調節,試験管内での組織と器官の.合成,組織工学のモデル,組織工学分野でのバイオマテリアル,作製した細胞や組織の移植,胎児組織工学,遺伝子治療に至る詳細な記述に続いて,各論として,乳房,心血管系,角膜,代謝と内分泌,消化器系,造血系,腎泌尿器系,骨および筋肉系,神経系,歯および口腔系,皮膚,人工子宮,そして最後に組織工学と再生医療や細胞治療の実践に関係する法規と規制の問題に至るまでと,まさに包括的に詳述されている,他に類を見ない好著である。
 この本を翻訳するにあたって,監訳者として第一に意を用いた点は,できる限り専門分野の研究に実際に従事しておられる方々に翻訳の労をお願いしたことである。第二に,用語の統一と,できる限り平易な表現に調整したことである。このため,監訳者の責任で書き改めさせていただいた個所も存在し,したがって,文責はすべて監訳者にあることを申し上げたい。
 わが国の再生医療と組織工学に対する関心がいよいよ高まる中での本書の出版は,まさに時を得たものである。今後のわが国における組織工学と再生医学に関する基礎研究,さらにその結果としての臨床応用を促進する一助として,専門家はもとより,この分野に興味を持たれる研究者や学生諸氏に本書を利用していただけることを心から願う次第である。

2002年1月
大野 典也
相澤 益男






Forword
序言

 新世紀への歩みを開始するにあたり,われわれがどのように歩んできたかを振り返って認識することは重要である。こうした展望があって初めて未来を見つめて,将来可能となることを心に描くことが現実的なものとなる。
 組織工学は,今現在われわれが真価を認めている以上に,将来的には,より大きな重要性を持つことになるであろう。臨床医学の改変,発生生物学でのメカニズムの解明への手助けに限定するのではなく,過去数十年間における科学・医学におけるいかなる進歩よりも,バイオテクノロジー産業の経済発展に本質的な影響を与える可能性がある。
 たとえわれわれが歴史上の多岐にわたるエポックとなる事象や発見を指摘し,“組織工学”の確立の道程について言及できたとしても,失われた組織機能を再生しようとする目的遂行のための試みは,物質科学と細胞生物分野の中でもこれに関連した分野の発達があって初めて可能となったのである。したがって,細胞生物学の進歩によって,大量の細胞を分離して,インキュベーターで培養するための酵素と培養添加剤の大規模な生産の結果,これらを購入することが可能になるまで,近代組織工学は現実可能なことではなく,その可能性すらなかったのである。現在では,発育を促進するためには生細胞を用いることの方が,走化性物質,成長因子,またはホルモンを投与するよりも,高度な組織機能の再生が図れるのは明らかなようである。事実,多くの異なった特定の組織から細胞を分離できるようになったのは,このほんの20~30年である。今日でさえ,ある種の細胞については,そのin vitro増殖はごく限られた成功例しかみられていない。
 レシピエントへ細胞を再挿入するという初期の方法は,かなり単純で,一般には不成功であった。細胞が手当たり次第に生着することを期待して,ばらばらな懸濁液としてまず注入された。
 組織工学の大規模な発展と応用のためのさらなる課題は,免疫学的障壁である。免疫学への理解が進展し,外来細胞を宿主が“自分自身”であると認識するようにだますことができるようになると,結果的に,同種移植片または異種移植片でさえ,移植によって機能的な組織を構築するのを可能とするかもしれない。歴史上の現時点では,残念ながら,どんなレシピエントの必要性にも適合するような,商業的に供給可能な細胞/ポリマーの構造の枠組みを構築するために用いることができるような普遍的なドナー細胞を開発するというのは,まだ夢物語である。
 生細胞から新たな機能組織を新生させるための真剣な努力を続け,ほぼ20年がたち,われわれはいくつかの基本的な概念を習得してきた。最も重要なことは,「母なる自然を軽視するのは愚かである」ということである。この点を踏まえ,多くの試みにおいて,自然を模倣した場合に,より高い水準の成功がもたらされてきた。われわれが科学的に理解している事象とは,生命システムの編成,発達,そして機能に関するあらゆる過程の中での,ごくわずかな部分でしかない。より近代的な仮説に基づいて,おびただしい数の理論が提示され,探究され,置き換えられても,ほとんどの生物的機構は,“ブラックボックス”として残されたままなのである。
 一時期,科学と医学的研究分野としての組織工学は,“反自然”と言われたことがあった。過去,数世紀の間,医師たちがどのようなことをしてきたかを実際に考えてみると,当たらずと言えども遠からずであった。疾病治療の基本前提は,自然治癒である。医療とは,治癒に最もつながるような環境を最適化することによって患者の生命機能を補助するだけである。基本的に医師は,人体の自然治癒に必要な酸素と栄養の供給を高めると同時に,害的要因を無効にしようとする。外科の基本理論は,好ましくない化学物質の供給源となる死んだ組織を除去し,害的な環境から組織を守り,創傷部位への血管供給を増進するような組織に近づけることである。組織工学においても,われわれは全く同じ到達点への達成を目指す。壊死組織と瘢痕組織が最初に切除される。死腔を除去されるように残存組織を適応させるよりも,創傷部位に属する生細胞は,構造的な刺激を与えることで,望むべく組織の形状と機能を指令する枠組みのように,残存組織が消失しないように配置される。科学者は医師や内科医とまさに同じ方法で環境を巧みに操作する。すなわち,不要な産物の排除と酸素の必要部所への供給を最適化しようとする。理想的な状態のもとでは,人体の自然治癒が可能となる。組織工学は,伝統的な治療で操作されているマクロ(肉眼的)な環境に対して,微小環境に焦点を当てて,研究されている。
 ごく最近の組織工学における重大な要素は,現在やっと十分に理解されてきたことであるが,使用する細胞をどこに求めるかという問題である。いくつかの研究によると,より未熟な細胞は,特定の組織にまで十分に分化した細胞よりも,in vitroでのより高度な増殖が可能である。完全に分化した細胞のin vitro増殖に対して,これらの未分化細胞や前駆細胞は,in vitroでの数度の継代の後,分化し機能することを誘導できる。そしてそれらの細胞はまた,配置された環境中での目的として,特定の組織内に見いだされる多くの特殊な細胞へと分化する能力を有すると思われる。
 最後に,この分野の現在の限界を知り,組織工学に予見される関連分野の発展を理解することが重要であると私は考える。こうした分野が出現するたびに,われわれの期待はわれわれの能力と照らし合わせつつ広げていかねばならない。そうした観点で,最初の組織工学のヒトへの応用は,臓器全体を置き換えるというよりも,特定の臓器や組織の失われた機能を置き換えるという,構成成分的治療としての組織工学という概念を目標とすることがより妥当性を得ている。例えば,人工肝臓や人工膵臓の事例において,例えば,患者はある特定の酵素が欠損しているだけであったり,生命の維持に必要なホルモンや成長因子をつくる能力が欠けているだけかもしれない。おそらく,臓器全体というよりも,機能的な組織の主要部分だけが創られる必要性があるのである。これと同様に,ヒトへの応用における進展は,非現実的な希望を時期尚早に抱くよりも,この分野の科学の進展と並行してなされるべきである。 この分野における発展が,多くの病気の経過における治療に際して,目覚ましい進展を約束していると信じられている。発生生物学の成果がわれわれに及ぼす影響と比較すると,そのほんの一分野の結果が組織工学に見られるのであり,その一つの特殊な応用例が,ヒトの疾病治療ということかもしれない。
 結論として,組織工学を科学として十分な配慮のうえで系統的に研究することと,その応用についての研究を推進することは,新世紀へ向けて人類のために多大な恩恵を創出するものである。

Charles A.Vacanti






Preface to the First Editon
第一版への序文

 組織工学に関して,さまざまな見地からの個々の論文はたくさん存在するけれども,どれ一つとして,この新しく多岐の分野にわたる主題を十分に網羅している出版物はなかった。“Principles of Tissue Engineering”は,特定の器官を冒す疾患に対する組織工学の応用を示すと同時に,組織の成長と発生についての一般的な理解のための必要要素,組織と器官を設計するために必要な学術的情報と手段を一冊の正書に集約させている。われわれは本書を編纂するに際して,包括的な出版物の作成を試みた。すなわち,生物学,化学,材料科学,工学,免疫学,そして移植学等を含む組織工学に関連する学問間の多様性の中でバランスをとった記述を心がけた。その一方で,将来の医学に最も価値があるような研究分野により重点を置いた。
 組織工学が医学へ寄与できる奥深さと範囲の広さは驚異的と言っても過言でないほど大きなものである。米国だけでも,組織の喪失や末期的な臓器機能不全に苦しんでいる患者の治療のために,毎年5,000億ドル近くの資金が費やされている。400万人以上の患者が火傷や床ずれ,皮膚の潰瘍を負い,1,200万人以上の患者が糖尿病を患い,200万人を超える患者が長骨,軟骨,結合組織や,椎間板のような支持構造の欠陥や損失に苦しんでいる。組織工学の医学的適応疾患として上記のほかにも可能性があるのは,筋肉や角膜のように加齢によって機能障害に陥っている組織を置き換えることや,小血管・静脈・冠状動脈・末梢ステントの代用,そして膀胱・尿管・卵管の代用,不可欠な酵素やホルモン等,生物活性を有する分泌物を産生するための細胞の修復が考えられる。
“Principles of Tissue Engineering”は,生物学・医学・工学を研究する学生,細胞生物学やバイオテクノロジーを研究する学生,医学部の大学院生や卒業生のための教科書としてだけでなく,基礎・臨床研究所における参考書となるよう意図して編集されている。この本を生み出すには,編集者たちの知識をはるかに超えた専門的知識が必要であった。本書は魅惑的で重要なこの分野に対して先駆的役割を果たしてきた80人以上の学者と臨床医の,英知の集結の賜物である。われわれは,彼らの深い知識と経験が,この本で提示されているデータの深さと信憑性に,欠くことのできない重みを加えると信じている。そして彼らは記述の中で,組織工学というこの新しい分野の出現を可能にした期待と理解と興奮とを明らかにすることに成功したと思う。

Robert Lanza
Robert Langer
Williiam Chick






Preface to the Second
第二版への序文

 この本の初版は1997年に出版され,組織工学についての分かりやすい教科書として,たちまち評価を受けた。この版は,大学卒業レベルの学生,組織工学にとくに興味を持つ科学者・医師のための理解しやすいテキストとして役立ててもらおうと書かれたものである。多方面の専門分野の研究者たちのための参考図書としても機能するであろう。組織工学の歴史とそれに関する根本的概念を網羅すると同時に,ここ数年の組織工学の進歩と今日現存する手技の実情について,包括的な概要を示そうと思う。
 このような主題について多くの概説が著され,いくつかの教科書が出版されているにもかかわらず,どれ一つとして,この分野の定義,科学理念の記述,関与する相互の専門分野について,第一版ほど分かりやすく示せてはいないし,その応用についての論議と将来の工業や医学分野への影響の可能性についても包括的には述べられていない。
 最新の教科書が出版されたと知ったとき,特定の学問についての知識の土台が十分に発展されていて,改訂版が出版されるだけの価値があるかどうか,思案すべきである。組織工学の場合においては,初版が印刷されてからのこの分野における発展が著しく,それがとくに目立つ。専門家ですら,この発展に伴って知識がこれほど急激に増加するとは予想することができなかった。工学組織を産生するために現在用いられている種々の新ポリマーや材料は,専門的な適用性を支持するデータによって証明されているように指数関数的な発展を遂げている。細胞とバイオ素材の相互作用については,ほとんど毎日のべ-スで知識の増加が見られる。第一版が印刷されてからも,組織工学における幹細胞の使用に関して途方もない可能性が示された。胚性幹細胞での研究をしているグループもあれば,各組織には前駆細胞や完全に分化した組織に存在する各種特殊細胞に発展すべくすでに運命づけられている幹細胞が存在すると信じているグループもある。
 それらの発展と並行して,個人企業だけでなく,多くの専門分野に携わる医師の実践によって,組織工学の概念にかかわる非常に多くの“買いつけ’がなされてきた。このような興味が増大していくことによって,組織工学は5年前に予測できた範囲をはるかに超えて拡大し,ヒトへの臨床応用まで進めるという明確な応用を促進することとなった。
 この教科書には,数百人の世界的な科学者たちによる研究努力の結果が示されている。このテキストの発展は,ある意味で,この分野におけるすべての発展に対応し,進化しつづけるこの分野で示された科学的協力を真に反映するものである。

Robert P. Lanza
Robert Langer
Joseph Vacanti