Advanced Biomimetics Series2 “ファイバー”スーパーバイオミメティックス ~近未来の新技術創成~
978-4-86043-132-7 C3040
¥69,520 (税込)
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- 発行所:(株)エヌ・ティー・エス
追加・訂正情報
生体材料そのものをつくるのではなく、その構造とそこから発現される様々な機能の発現メカニズムを学び、基礎研究および応用開発に活かすかということである。例えば環境変化に応じた自己修復材料、フロンティアファイバー、インテリジェント材料などバイオニックファイバーの設計が期待される。
生体を「知る―設計論」、「学ぶ」、「究める」、「活かす」、「超える」、「創る―未来」を目的とした、6つの編から成る本書は、科学(知)とバイオニックファイバーとバイオミメティックスという3つの特徴を融合した新技術を提案し、日本の新部材産業を創成することを目標としている。
発刊日:2006年10月16日
頁 数:1236頁
造 本:B5
発行所:(株)エヌ・ティー・エス
ISBN :978-4-86043-132-7 C3040
◆ 書籍概要 ◆
「“ファイバー”スーパーバイオミメティックス」とは、多くの先端産業分野で使われているファイバーをベースに、従来のバイオミメティックスをさらに進め、生体機能を超える素材や材料、システム・プロセスを設計・開発する工学の全般を目指す、即ち“生体を超える”ものづくりに力点を置いた書である。生体材料そのものをつくるのではなく、その構造とそこから発現される様々な機能の発現メカニズムを学び、基礎研究および応用開発に活かすかということである。例えば環境変化に応じた自己修復材料、フロンティアファイバー、インテリジェント材料などバイオニックファイバーの設計が期待される。
生体を「知る―設計論」、「学ぶ」、「究める」、「活かす」、「超える」、「創る―未来」を目的とした、6つの編から成る本書は、科学(知)とバイオニックファイバーとバイオミメティックスという3つの特徴を融合した新技術を提案し、日本の新部材産業を創成することを目標としている。
発刊日:2006年10月16日
頁 数:1236頁
造 本:B5
発行所:(株)エヌ・ティー・エス
ISBN :978-4-86043-132-7 C3040
■監修者 本宮 達也(東京工業大学/NEDO/テクノ戦略研究所) ■編集幹事(五十音順) 赤池 敏宏(東京工業大学) 岡本 秀穗(九州大学/鳥取大学) 白井 汪芳(信州大学) ■主な目次 序編 第1編 生体ファイバーの構造機能設計入門 第2編 生体に学ぶものづくり 第3編 生体を究めるものづくり 第4編 生活と環境に活かすものづくり 第5編 生体を超えるものづくり 第6編 近未来を創造するものづくり
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序編 序文―監修のことば サイエンスに裏づけされた研究開発と真の産学連携による次世代ものづくり戦略 第1編 生体ファイバーの構造機能設計入門 序説 化学進化と有機化合物の創成 第1章 構造と機能のデザイン入門 第1節 スーパーファイバー設計原論―何のために設計するのか 第2節 生物の形とサイズ:進化的アプローチ 第3節 生体線維の特性とそのバイオミメティックな対応繊維 第2章 生物材料物性入門 第1節 バイオメカニクス材料設計入門 第2節 生物はマクロな形態をいかにつくっているか? 1 脊椎動物の構造と物性 2 生物の設計原理と繊維:結合組織を例として 3 環境低負荷型操作で生分解性ファイバーの調製 4 植 物 第3章 生物の運動機能デザイン入門 第1節 生体における運動例 1 動物の動き概論 2 植物の運動 3 生物社会システムに学ぶ コラム●虫たちのデザイン:優れた機能,限られた世界 第4章 生体におけるものづくり入門 第1節 バイオナノファイバーワールド―医療工学におけるナノファイバーマトリックスの役割― 第2節 生体機能を極端に単純化した機能性物質 第3節 タンパク質の生成・構造形成と機能に学ぶ 第4節 遺伝子の構造機能に学ぶ 第5節 多糖の生成・構造形成・機能に学ぶ 第6節 大環状アミロースの包接機能とナノ材料化1 第7節 天然ゴム生合成機構の解明と高生産系構築への展望 第8節 生分解性糖鎖高分子の酵素合成と機能発現 コラム●多糖―アミンコンプレックス 第2編 生体に学ぶものづくり 序説 生体に学ぶものづくり バイオベースマテリアルの高度利用―現状と将来 第1章 生物ファイバーの生成と構造形成を知る 第1節 羊毛の構造形成と機能 1 羊毛の超分子構造と機能 2 羊毛のセットに学ぶ 3 羊毛の模倣繊維(ウールライクの合繊) 第2節 絹の構造と機能 1 絹の生成過程を直接「見る」 2 絹の構造形成過程を知る(生物紡糸)―カイコの精密分子配向制御による絹の誕生 3 絹の模倣繊維 第3節 セルロース,木綿の構造と機能 1 木綿の高次構造と機能 2 セルロースの機能の新展開 3 バクテリアセルロース 4 全セルロース複合材料による“超”天然材料 5 綿の模倣繊維 6 寒天ファイバーの新展開 7 熱可塑性セルロース繊維 第2章 バイオミメティックファイバーへのチャレンジ 第1節 バイオミメティックファイバーの設計思想 第2節 バイオミメティックファイバーへのチャレンジ 1 人工酵素繊維 2 イガイのつくる水中スーパー接着繊維 3 コンニャク石を模倣した曲がるセラミックス 4 ホタテ貝殻セラミックスの機能を応用した製品開発 5 竹から学ぶ複合構造―竹繊維とその複合材料― 6 オナモミの鉤による接合構造・ヤモリの足毛 7 生物を用いた繊維材料のナノ構造制御 8 人工コラーゲン 9 遺伝子組換えコラーゲン 10 遺伝子組換えカイコの作出法の確立と新繊維 11 スパイダーシルク 12 微生物産生ポリエステルの高強度繊維 第3節 構造発色材料のデザイン―光と相互作用する生物ナノ構造― 1 昆虫の美しい構造色はコレステリック液晶 2 モルフォチョウの発色構造 3 生物の構造を追い求めて 4 構造発色繊維 5 クジャクの羽に学ぶ―サブミクロン粒子結晶による発色 6 ガの眼 7 薄膜光干渉発色布(タマムシの翅はね構造) コラム●イモゴライト 九州の火山灰土から発見された天然ナノファイバー 第3編 生体を究めるものづくり 序説 第1章 表皮・骨格構造機能の追究 第1節 ホヤの被嚢の微細構造 第2節 昆虫や魚の表皮から学ぶ積層構成 第3節 分子オーダで伸縮する分子ファイバー―人工アキレス腱の創成 第4節 軟骨と骨 第2章 物質分離・変換・輸送機能の追究 第1節 分子分離機能 1 分子分離機能ファイバー 2 キラル分離(光学異性体分離) 3 肺 4 中空糸を用いた人工腎臓 第2節 物質変換機能 1 人工酵素 2 肝臓(バイオリアクター型ナノファイバー) 第3節 物質輸送機能 1 生体外異物の取り込みと排出の分子シンクロナイゼーション 2 動く臓器としての血液に学ぶ―人工赤血球・人工血小板への挑戦― 第3章 エネルギー変換機能の追究 第1節 化学エネルギー変換機能 1 細胞内エネルギー変換―エネルギーパイプとしてのミトコンドリア 2 生体膜モデルシステムにおけるエネルギー・情報交換 第2節 光エネルギー変換機能 1 光エネルギー変換タンパクシステムの自己組織化とモデル化 2 人工光合成システム 第4章 情報制御機能のデザイン 第1節 情報応答性DNAコンジュゲートを用いた遺伝子発現制御システム 第2節 光機能化DNAファイバー 第3節 細胞―電極間シンクロナイゼーションに基づく細胞内遺伝子 第5章 運動リズム機能のデザイン 第1節 運動リズム機能 1 アクチンフィラメント周りの水のダイナミックス―新たな駆動メカニズムへの展開 2 生体運動リズムの解析と制御―心筋を例として 第2節 運動機能 1 運動機能を有するゲルの設計 2 電場駆動型アクチュエータ 3 トポロジカルゲルとバイオミメティックス 4 上肢動作を補助するマッスルスーツの開発 第4編 生活と環境に活かすものづくり 序説 第1章 健康福祉・医療に貢献する繊維のデザイン 第1節 ヘルスケア繊維材料 1 健康サポート繊維 2 生体に学ぶ健康ナノファイバー 3 吸湿発熱ウエア 4 透湿撥水ウエア―ハスの葉構造を持つ高密度織物 5 透湿防水ウエア―人の皮膚を倣った多孔質ポリアミノ酸系コーティング織物 第2節 医療・福祉 1 生物に学ぶ医療器械 2 福祉医療用ファイバー 第2章 環境・エネルギー対策に貢献する機能性ファイバー 第1節 環境浄化ファイバー 1 中空糸膜利用フィルター 2 環境浄化/イオン交換繊維 3 バイオミメティックスと逆浸透膜 4 微生物利用汚水浄化装置 5 炭素繊維利用浄化装置 6 産業として見たエレクトロスピニングによるナノファイバーウェブ 7 防塵用,脱臭・吸着エアフィルター 8 ペーパー光触媒 第2節 環境調和ファイバー 1 時限生分解性繊維 2 ポリ(l―乳酸)/ポリ(d―乳酸)ブレンドの溶融紡糸―ステレオコンプレックスの発現― 3 バイオマス由来の環境低負荷次世代合成繊維―ポリ乳酸繊維の特性と機能― 4 繊維完全リサイクル技術 5 ウェザリングに学ぶスーパー繊維の環境対策 6 多機能型新規分解性ポリマー材料 第3節 再生可能エネルギー・省エネルギー繊維材料 1 水素製造ペーパー触媒 2 水素吸蔵高分子(多孔性配位高分子) 3 イオン液体―ファイバーとの関わり― 4 オンサイトでの燃料電池発電のための水素生産ユニット~バイオによる家庭用燃料生産システムの現状と課題~ 5 カーボンナノチューブ(CNT)・キャパシタ 6 高分子固体イオニクス材料の改善技術 7 有機高効率太陽電池構築の戦略 第3章 高度IT(情報技術)化社会に貢献する機能性ファイバー 第1節 発光材料―生物発光(蛍)系をモデルとした発光分子材料― 第2節 フォトニクス材料 1 低損失有機高分子系光ファイバー(低損失POFの開発) 2 フォトニック結晶ファイバー 3 有機EL素子 4 電子ペーパー 第3節 センシング 1 食虫植物に学ぶ記憶型センサー 2 感性センサー(手指の触知覚に学ぶ) コラム●フレキシブルデバイスのための有機TFT 第4章 フロンティアファイバー・安全対策・危機管理への展開 第1節 人体防護材料 1 バイオハザード防護服 2 防火服の性能と展望 3 宇宙服の構造と素材 4 ガーゼマスクからハイテクマスクまで 第2節フロンティアファイバーの新展開 1 航空機 2 フロンティア建築材料―巨大膜構造建築物 3 フロンティア建築材料―高強度・高弾性率繊維のコンクリート補強 4 ジオシンセティックス 5 マリンテキスタイル 第5編 生体を超えるものづくり 序説 ナノファイバーテクノロジーによるバイオミメティックスの超越 第1章 ナノファイバー基盤技術 第1節 超分子集合体が発現する高機能・高性能化学繊維材料 1 分子レベルでの構造制御(次元材料) 2 傾斜構造の制御―貝が真珠をつくる仕組みに学ぶ 3 超分子ナノファイバーの応用 4 絹タンパク質のナノスケールでの自己組織化と構造制御 第2節 ナノファイバーの製造法 1 エレクトロスプレーデポジション(ESD)法 2 カーボンナノチューブの製造法 3 ナノ溶融紡糸による炭素ナノファイバーの製造 4 CO2レーザ延伸ナノファイバー 5 中空繊維の極細化 6 次世代高性能繊維「脂肪族ポリケトン繊維」 コラム●木材の細胞壁を用いて円錐黒鉛ウィスカーをつくる 第2章 スーパーバイオミメティックファイバー 第1節 エコシンクロナイズ 1 スマートメンブレン 2 光セルフ・クリーニング 3 ウエアラブル燃料電池 第2節 ソフトインターフェース 1 繊維型DNAチップ 2 保護プローブ型DNAチップ 3 学から見たウエアラブルエレクトロニクス 4 産から見たウエアラブルエレクトロニクス 5 ナノ構造制御ファイバーを利用した偏光素子および微小光学素子 第3節 ファインメディカル 1 人工白血球へのチャレンジ 2 脳に学ぶナノデバイス 3 ナノファイバーの再生医療/組織工学への応用 ―マトリックス工学による幹細胞の分化・増殖制御― 4 バイオミメティック・ミネラリゼーション(バイオミメラリゼーション) 5 骨修復機能性ファイバーの設計 6 DNAチップ・細胞チップ 7 疾患部位の標的治療を可能とする高分子ミセル型薬物・遺伝子ナノキャリアの現状と今後の展望 8 電界紡糸法による組織工学用細胞外マトリックス・骨格基材・デバイスの開発 第4節 バイオメカトロニクス―ロボットから見た生物 1 人間に接触するロボット(ソフトロボティックス) 2 カイコの繭を作る行動に学んだ行動体,製作ロボット 3 フレキシブルオブジェクトのハンドリング 4 骨梁構築に学ぶ構造設計法 第3章 ナノファイバー解析の必須技術 第1節 マイクロビームX線回折 第2節 ナノ力学物性 第3節 3次元顕微鏡 第4節 近接場光学顕微鏡と微小領域の複屈折評価 第5節 微小領域の電気物性 コラム●高分子1分子鎖の力学特性の測定 コラム●分子の動きと物性を計算する 第6編 近未来を創造するものづくり 序説 第1章 近未来ファイバー技術を創出するナノエンジニアリング 第1節 ナノファイバーエンジニアリング 1 セルロース微細繊維からのナノカーボン 2 ナノコイル―導電性らせん状共役ポリマー― 3 無機ナノファイバーハイブリッドマテリアル 4 無機ナノファイバーの調湿機能 5 無機ナノストランド 第2節 ナノサーフィスエンジニアリング 1 カーボンナノチューブの将来展望 2 破壊組織化によるナノボイド複合高分子材料 3 グラフト重合による精密表面設計 第3節 ナノパーティクルエンジニアリング 1 ウイルスの形状を模倣した高分子ナノ粒子の作製 2 ペプチド分子の自己集合によるナノカプセル 3 ナノ機能材料の創製と応用 4 微小な粒子から組み上げた超構造体とその機能 コラム●超臨界流体を利用した新規機能材料 第2章 ナノ・バイオ融合テクノロジーの近未来展望 第1節 ナノ・バイオマテリアルサイエンスの新展開 1 海洋性キトサンを用いた神経再生チューブの開発 2 バイオインスパイアードマテリアル 3 もっと速く骨を治す 4 毒か薬か,緑の光で知らせるセンサー細胞 第2節 究極的未来技術の展望 1 夢の建築物と細胞の骨組み 2 宇宙エレベータ コラム●繊維の極限強度はどこまで達成できるか? コラム●自己組織化により作製される傾斜機能性の繊維,膜,粒子 コラム●次世代フレキシブル有機・無機ナノハイブリッド部材の創製
執筆者一覧を表示
※本執筆者一覧では独立行政法人の表記を省略いたしました。 【監修者】 本宮 達也 東京工業大学 研究参事/新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 新技術調査委員/テクノ戦略研究所 代表 【編集幹事】(五十音順) 赤池 敏宏 東京工業大学大学院生命理工学研究科 生体分子機能工学専攻教授 岡本 秀穗 九州大学髙等教育開発推進センター特任教授/鳥取大学地域共同研究センター客員教授 白井 汪芳 信州大学理事・繊維学部特任教授 【編集委員】(五十音順) 磯貝 明 東京大学大学院農学生命科学研究科生物材料科学専攻教授 川口 武行 帝人(株)新事業開発事業部常務理事 高橋 洋 東レ(株)機能資材・商品開発センター所長 高原 淳 九州大学先導物質化学研究所教授 谷岡 明彦 東京工業大学大学院理工学研究科有機・高分子物質専攻教授 中沢 賢 信州大学繊維学部名誉教授 山口 新司 福井大学大学院工学研究科 材料開発工学専攻 先端繊維材料講座客員教授 山﨑 義一 日本化学繊維協会大阪事務所長・技術グループ長 【編集協力委員】(五十音順) 跡見 順子 東京大学大学院総合文化研究科教授 小山 俊樹 信州大学繊維学部助教授 横山 浩 産業技術総合研究所ナノテクノロジー研究部門長 渡辺 順次 東京工業大学大学院理工学研究科有機・高分子物質専攻教授 渡辺 敏行 東京農工大学大学院共生科学技術研究院教授 【執筆者】(執筆順) 梶山 千里 九州大学総長 本宮 達也 東京工業大学 研究参事/新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 新技術調査委員/テクノ戦略研究所 代表 安永 裕幸 経済産業省産業技術環境局研究開発課 課長 (故)竹本喜一 大阪大学名誉教授 岡本 秀穗 九州大学髙等教育開発推進センター特任教授/鳥取大学地域共同研究センター客員教授 本川 達雄 東京工業大学大学院生命理工学研究科教授 Julian F.V.Vincent Professor of Biomimetics, Centre for Biomimetic & Natural Technologies, Dept of Mechanical Engineering, University of Bath 速水 尚 近畿大学生物理工学部生体機械工学科教授 西原 克成 西原研究所 所長 戸倉 清一 関西大学社会連携センター特別顧問 田村 裕 関西大学工学部教養化学教室 教授 杉山 淳司 京都大学生存圏研究所教授 山口 高弘 東北大学大学院農学研究科機能形態学分野教授 渡邊 康一 東北大学大学院農学研究科機能形態学分野助手 坂本 二郎 金沢大学大学院自然科学研究科システム創成科学専攻助教授 鈴木 良次 金沢工業大学人間情報システム研究所 所長 久田 光彦 北海道大学名誉教授 赤池 敏宏 東京工業大学大学院生命理工学研究科 生体分子機能工学専攻教授 君塚 信夫 九州大学大学院工学研究院応用化学部門教授 森川 全章 九州大学大学院工学研究院応用化学部門助手 木賀 大介 東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻助教授 永田 恭介 筑波大学大学院人間総合科学研究科社会環境医学専攻 浅賀 正充 筑波大学大学院人間総合科学研究科社会環境医学専攻 湯浅 英哉 東京工業大学大学院生命理工学研究科助教授 北村 進一 大阪府立大学大学院生命環境科学研究科教授 寺田 喜信 江崎グリコ(株)生物化学研究所 高橋 征司 東北大学大学院工学研究科バイオ工学専攻助手 古山 種俊 東北大学多元物質科学研究所教授 三浦 佳子 北陸先端科学技術大学院大学マテリアルサイエンス研究科准教授 和田 昌久 東京大学大学院農学生命科学研究科生物材料科学専攻助教授 白井 汪芳 信州大学理事・繊維学部特任教授 小林 四郎 京都工芸繊維大学バイオベースマテリアル研究センター特任教授 新井 幸三 KRA羊毛研究所 所長 坂本 宗仙 東京工業大学名誉教授 松本 三男 帝人ファイバー(株)産業資材技術開発部/福井大学大学院非常勤講師/松本技術士事務 所 朝倉 哲郎 東京農工大学大学院共生科学技術研究院教授 馬越 淳 農業生物資源研究所 馬越 芳子 農業生物資源研究所 前田 裕平 東レ(株)繊維研究所研究主幹 小野木禎彦 武庫川女子大学生活環境学部教授 磯貝 明 東京大学大学院農学生命科学研究科生物材料科学専攻教授 平井 諒子 京都大学化学研究所助手 堀井 文敬 京都大学化学研究所教授 西野 孝 神戸大学工学部教授 埋橋 祐二 伊那食品工業(株)常務取締役・開発本部長 西尾 嘉之 京都大学大学院農学研究科教授 荒西 義高 東レ(株)繊維研究所主任研究員 小山 俊樹 信州大学繊維学部助教授 山本 浩之 信州大学繊維学部教授 太田 敏孝 名古屋工業大学セラミックス基盤工学研究センター教授 小山 信次 八戸工業大学工学部生物環境化学工学科教授 浦井 航 (株)チャフローズコーポレーション開発部 吉田 朋央 新エネルギー・産業技術総合開発機構ナノテクノロジー・材料技術開発部 笹谷 廣治 (株)チャフローズコーポレーション代表取締役社長 藤井 透 同志社大学工学部教授 大窪 和也 同志社大学工学部助教授 網屋 繁俊 (株)クラレ新事業開発本部専任参与 兼 繊維カンパニー 近藤 哲男 九州大学バイオアーキテクチャーセンター教授 谷原 正夫 奈良先端科学技術大学院大学物質創成科学研究科教授 冨田 正浩 広島県産業科学技術研究所吉里プロジェクト主任研究員 吉里 勝利 広島大学大学院理学研究科教授 田村 俊樹 農業生物資源研究所遺伝子組換カイコ研究センター センター長 瀬筒 秀樹 農業生物資源研究所遺伝子組換カイコ研究センター研究員 内野 恵郎 農業生物資源研究所遺伝子組換カイコ研究センター研究員 小林 功 農業生物資源研究所遺伝子組換カイコ研究センター研究員 大 茂芳 奈良県立医科大学医学部教授 田中 稔久 理化学研究所高分子化学研究室協力研究員 岩田 忠久 理化学研究所高分子化学研究室副主任研究員 渡辺 順次 東京工業大学大学院理工学研究科有機・高分子物質専攻教授 木下 修一 大阪大学大学院生命機能研究科教授 熊澤 金也 日産自動車(株)総合研究所 社会・フロンティア研究所主査 能勢 健吉 帝人(株)CTOスタッフ室 吉田 哲也 綜研化学(株)研究開発センター基礎研究室副主任研究員 山口 新司 福井大学大学院工学研究科 材料開発工学専攻 先端繊維材料講座客員教授 野坂 俊紀 大阪府立産業技術総合研究所化学環境部化学材料系総括研究員 和田信一郎 九州大学大学院農学研究院助教授 筏 義人 奈良県立医科大学医学部教授 谷本 敏夫 湘南工科大学工学部マテリアル工学科教授 陳 国平 物質・材料研究機構生体材料センター 立石 哲也 物質・材料研究機構生体材料センター 谷岡 明彦 東京工業大学大学院理工学研究科有機・高分子物質専攻教授 柴田 徹 ダイセル化学工業(株)セルロースカンパニー主席部員 押山 広明 テルモ(株)研究開発センター次席研究員 一 貴浩 旭化成メディカル(株)透析事業部 技術開発部 木村 睦 信州大学繊維学部機能高分子学科助教授 中澤 浩二 北九州市立大学国際環境工学部助教授 水本 博 九州大学大学院工学研究院助教授 梶原 稔尚 九州大学大学院工学研究院教授 船津 和守 九州大学名誉教授 久保 義行 金沢大学大学院自然科学研究科・薬学系助手 加藤 将夫 金沢大学大学院自然科学研究科・薬学系助教授 辻 彰 金沢大学大学院自然科学研究科・薬学系教授 武岡 真司 早稲田大学理工学術院教授 岡村 陽介 早稲田大学理工学総合研究センター客員研究員 阿閉 友保 早稲田大学大学院理工学研究科 新垣 尚捷 徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部分子細胞薬品学助教授 樋口 富彦 徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部分子細胞薬品学教授 比嘉 充 山口大学大学院理工学研究科物質化学専攻教授 南後 守 名古屋工業大学大学院工学研究科物質工学専攻教授 永田 衞男 名古屋工業大学大学院工学研究科物質工学専攻研究員 荒川 裕則 東京理科大学工学部工業化学科教授 村田 正治 九州大学大学院医学研究院ナノバイオメディスン 助教授 橋爪 誠 九州大学大学院医学研究院災害・救急医学 教授 前田 瑞夫 理化学研究所前田バイオ工学研究室 主任研究員 浅沼 浩之 名古屋大学大学院工学研究科物質制御工学専攻教授 柳田 保子 東京工業大学精密工学研究所助教授 相澤 益男 東京工業大学 学長 鈴木 誠 東北大学大学院工学研究科材料システム工学専攻教授 清水 達也 東京女子医科大学先端生命医科学研究所講師 岡野 光夫 東京女子医科大学先端生命医科学研究所 所長・教授 権 赫準 北海道大学大学院理学研究院生命理学専攻生命構築科学講座 敷中 一洋 北海道大学大学院理学研究院生命理学専攻生命構築科学講座 角五 彰 北海道大学大学院理学研究院生命理学部門生命融合科学分野 ?轆 剣萍 北海道大学大学院理学研究院生命理学部門生命融合科学分野教授 長田 義仁 北海道大学大学院理学研究院生命理学部門生命融合科学分野教授 平井 利博 信州大学繊維学部教授 伊藤 耕三 東京大学大学院物質系専攻物性・光科学大講座教授 小林 宏 東京理科大学工学部機械工学科助教授 高原 淳 九州大学先導物質化学研究所教授 跡見 順子 東京大学大学院総合文化研究科教授 桜井 隆史 東京大学大学院総合文化研究科助手 石丸 園子 東洋紡績(株)総合研究所コーポレート研究所 快適性工学グループ リーダー 岩下 憲二 帝人ファイバー(株)加工技術部 來島 由明 ユニチカファイバー(株)生産開発部開発センター センター長 植田 康弘 オリンパス(株)ライフサイエンスカンパニー ダイアグノスティックシステムズ事業部長 小野 栄一 産業技術総合研究所知能システム研究部門主任研究員 加茂 純 三菱レイヨン(株)中央技術研究所研究企画推進室主席技師 藤原 邦夫 (株)荏原総合研究所グラフトプロジェクト室 室長 辺見 昌弘 東レ(株)地球環境研究所 所長 植村 忠廣 東レ(株)水処理技術開発センター 所長 加納 裕士 ユニチカ(株)環境事業本部上下水道営業部 営業課長 尾﨑 益雄 前橋工科大学工学部建設工学科教授 Timothy H. Grafe Donaldson Company Inc. 林 敏昭 東洋紡績(株)総合研究所機能材開発研究所機能フィルター開発グループリーダー 北岡 卓也 九州大学大学院農学研究院森林資源科学部門助教授 井上 義夫 東京工業大学大学院生命理工学研究科 教授 山根 秀樹 京都工芸繊維大学バイオベースマテリアル研究センター助教授 古橋 幸子 東京電力(株)技術開発研究所 望月 政嗣 ユニチカ(株)テラマック担当シニアアドバイザー/京都工芸繊維大学バイオベースマテリアル研究センター特任教授 山﨑 義一 日本化学繊維協会大阪事務所長・技術グループ長 大澤善次郎 足利工業大学総合研究センター客員研究員/群馬大学名誉教授 松本 章一 大阪市立大学大学院工学研究科教授 松本 英俊 東京工業大学大学院理工学研究科有機・高分子物質専攻助手 大野 弘幸 東京農工大学大学院共生科学技術研究院教授 大槻 隆司 山梨大学大学院医学工学総合研究部助手 森本 剛 森本技術士事務所代表 富永 洋一 東京工業大学大学院理工学研究科物質科学専攻助手 石川 謙 東京工業大学大学院理工学研究科有機・高分子物質専攻助教授 牧 昌次郎 電気通信大学量子・物質工学科助手 小池 康博 慶應義塾大学理工学部教授・慶應義塾先端科学技術研究センター所長 渡辺 敏行 東京農工大学大学院共生科学技術研究院教授 岡田 裕之 富山大学理工学研究部助教授 中 茂樹 富山大学理工学研究部助手 女川 博義 富山大学理工学研究部名誉教授 加藤 隆史 東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻教授 平井 友樹 東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻 守山 雅也 東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻講師 上田 実 東北大学大学院理学研究科化学専攻教授 西松 豊典 信州大学繊維学部繊維システム工学科教授 下田 達也 セイコーエプソン(株)理事・フェロー 小菅 一彦 東レ・デュポン(株)常務理事 箭内 英治 総務省消防庁消防大学校 消防研究センター技術研究部大規模火災研究室 室長 山方 健士 宇宙航空研究開発機構宇宙基幹システム本部 有人宇宙技術部開発員 木村 一志 興研(株)取締役技術本部飯能研究所 所長 深澤 康彦 興研(株)技術本部飯能研究所生産技術室主任 井塚 淑夫 井塚技術士事務所/元 東レ(株) 豊田 宏 太陽工業(株)空間技術研究所材料開発グループ グループリーダー 進藤 泰男 第一技術コンサルタント(株)会長 赤井 智幸 大阪府立産業技術総合研究所化学環境部繊維応用系主任研究員 中原 裕幸 (社)海洋産業研究会 常務理事 金澤 昭彦 山形大学工学部機能高分子工学科 坂本 健 東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻 西村 達也 東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻助手 英 謙二 信州大学大学院総合工学系研究科教授 鈴木 正浩 信州大学大学院総合工学系研究科助手 松元 亮 東京大学大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻助手 David L. Kaplan Tufts University, Professor & chair, Dept. of Biomedical Engineering, Professor, Dept. of Chemical & Biological Engineering, Director, Bioengineering & Biotechnology Center 山形 豊 理化学研究所中央研究所大森素形材工学研究室先任研究員 柳澤 隆 (株)GSIクレオス ナノテクノロジー開発プロジェクト 部長 竹内 健司 信州大学工学部産学官連携研究員 林 卓哉 信州大学工学部電気電子工学科助教授 金 隆岩 信州大学工学部電気電子工学科助教授 遠藤 守信 信州大学工学部電気電子工学科教授 安田 榮一 東京工業大学応用セラミックス研究所教授 赤津 隆 東京工業大学応用セラミックス研究所講師 田邊 靖博 名古屋大学教授 大谷 朝男 群馬大学教授 大越 豊 信州大学繊維学部 神山 三枝 帝人ファイバー(株) 鈴木 章泰 山梨大学大学院医学工学総合研究部教授 加藤仁一郎 旭化成せんい(株)技術研究所 所長 斎藤 幸恵 東京大学大学院農学生命科学研究科助手 有馬 孝禮 宮崎県木材利用技術センター所長 辻田 義治 名古屋工業大学大学院工学研究科先端機能材料研究所プロジェクト教授 吉水 広明 名古屋工業大学大学院工学研究科物質工学専攻助教授 志知 哲也 東海旅客道(株)総合技術本部技術開発部光触媒グループ グループリーダー 藤嶋 昭 東海旅客道(株)総合技術本部技術開発部顧問 秋田 隆 三菱レイヨン(株)新事業企画室ゲノムグループ 担当部長 関根 光雄 東京工業大学大学院生命理工学研究科分子生命科学専攻教授 大窪 章寛 東京工業大学大学院生命理工学研究科分子生命科学専攻助手 岡本 到 科学技術振興機構研究員 清尾 康志 東京工業大学大学院生命理工学研究科分子生命科学専攻助教授 志水 英二 宝塚造形芸術大学芸術情報学科 学科長 亀山 研一 (株)東芝研究開発センター ヒューマンセントリックラボラトリ主任研究員 林 秀樹 次世代モバイル用表示材料共同研究組合 長澤 敦 次世代モバイル用表示材料共同研究組合 戸谷 健朗 東京農工大学大学院工学府技術職員 長岡 正人 東京工業大学大学院生命理工学研究科生体分子機能工学専攻助手 Paul Calvert Chair, Dept. of Materials and Texiles, Univ. of Massachusetts, USA 渡邉 順司 大阪大学大学院工学研究科応用化学専攻特任助教授・大阪大学21世紀COE 明石 満 大阪大学大学院工学研究科応用化学専攻教授・大阪大学21世紀COE 狩野 有宏 九州大学先導物質化学研究所助手 丸山 厚 九州大学先導物質化学研究所教授 片岡 一則 東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻・医学系研究科疾患生命工学センター臨床医工学部門教授 裵 潤秀 東京大学大学院医学系研究科疾患生命工学センター臨床医工学部門助手 木戸秋 悟 九州大学先導物質化学研究所生命分子化学分野教授 松田 武久 金沢工業大学ゲノム生物工学研究所教授 中沢 賢 信州大学繊維学部名誉教授 三浦 幹彦 信州大学繊維学部繊維システム工学科教授 森川 英明 信州大学繊維学部繊維システム工学科助教授 河村 隆 信州大学繊維学部機能機械学科助教授 小寺 賢 神戸大学工学部応用化学科 田中 敬二 九州大学大学院工学研究院助教授 陣内 浩司 京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科高分子機能工学部門助教授 梅田 倫弘 東京農工大学大学院共生科学技術研究院教授 西山 達 東京農工大学大学院工学教育府 金藤 敬一 九州工業大学生命体工学研究科教授 猪飼 篤 東京工業大学大学院生命理工学研究科教授 青柳 岳司 旭化成(株)基盤技術研究所主幹研究員 横山 浩 産業技術総合研究所ナノテクノロジー研究部門長 空閑 重則 東京大学大学院農学生命科学研究科教授 赤木 和夫 京都大学大学院工学研究科高分子化学専攻教授 高 文柱 筑波大学大学院数理物質科学研究科物性・分子工学専攻 森 泰蔵 筑波大学大学院数理物質科学研究科物性・分子工学専攻 鈴木 正哉 産業技術総合研究所深部地質環境研究センター主任研究員 一ノ瀬 泉 物質・材料研究機構 ナノ有機センター センター長 東原 秀和 信州大学名誉教授 川崎 晋司 名古屋工業大学助教授 武野 明義 岐阜大学工学部機能材料工学科助教授 辻井 敬亘 京都大学化学研究所助教授 福田 猛 京都大学化学研究所教授 金子 達雄 北陸先端科学技術大学院大学マテリアルサイエンス研究科機能科学専攻 松浦 和則 九州大学大学院工学研究院応用化学部門助教授 種村 榮 (財)ファインセラミックスセンター常務理事・材料技術研究所長/名古屋工業大学環境調和セラミックス科学研究所PJ教授 苗 蕾 名古屋工業大学環境調和セラミックス科学研究所PJ助教授 西 俊紀 (株)日本特殊陶業総合研究所 藤本 啓二 慶應義塾大学理工学部応用化学科助教授 堀 照夫 福井大学大学院工学研究科教授 奥林 里子 福井大学ベンチャービジネスラボラトリー 松田 篤 北海道大学創成科学共同研究機構特定研究部門生命系教務補佐員 伊藤聰一郎 東京医科歯科大学疾患遺伝子センター運動器分子変性部門教授 大熊 恒雄 北海道曹達(株)研究開発部 部長 田中 順三 東京工業大学大学院理工学研究科材料工学専攻教授 原田 明 大阪大学大学院理学研究科教授 山口 浩靖 大阪大学大学院理学研究科助手 髙島 義徳 大阪大学大学院理学研究科助手 菊池 正紀 物質・材料研究機構生体材料センターナノ組織化生体材料グループ 主任研究員 谷口 彰良 物質・材料研究機構生体材料センター細胞工学グループ グループリーダー 原田伊知郎 東京工業大学大学院生命理工学研究科助手 大田 康雄 東洋紡績(株)総合研究所コーポレート研究所長 田代 孝二 豊田工業大学大学院工学研究科極限材料専攻教授 折原 勝男 山形大学工学部・大学院独立専攻助教授 渡辺 明 東北大学多元物質科学研究所助教授 宮下 徳治 東北大学多元物質科学研究所教授
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序文 ―監修のことば 本書の「“ファイバー”スーパーバイオミメティックス」は,社会の多くの先端産業分野で使われているファイバーをベースに,その関連を視野に入れた,従来のバイオミメティックスをさらに進め,生体機能を超えるような部材や材料・システム・プロセスを設計・開発する工学の全般を指す,すなわち“生体を超える”ものづくりに力点を置いた書である。本書のスーパーバイオミメティックスが目指すものは,人や動物,植物,昆虫,微生物,細胞などと全く同じ物を作ることではない。これら構造とそこから発現する自己組織力や自己修復能力,階層構造や結晶構造,刺激応答能力などの機能の発現メカニズムの基礎研究から応用開発,展望にいたる広範な全プロセス,すなわち「知 って」,「学び」,「究めて」,「活かして」,「超えて」,「創る」ことの基本的なコンセプトを幅広く提案するものであり,本書の章立ては,これによっている。 すでに,(株)エヌ・ティー・エスからは2000年に『バイオミメティックスハンドブック』(編集代表・長田義仁・北海道大学院教授)が出版されて好評である 1)。同書が生物学的な視点からの科学的解明に重心を置いているのに対し,本書は生体の知恵の工学的応用による新しい機能部材とシステムの開発,展開に重心を置いている。『バイオミメティックスハンドブック』と本書の違いは,前者が基礎編,本書は応用編の位置づけであること,さらに,次世代の新産業創成に視野を置いた点である。 地球の持続可能な人口は,80億人という予想もあるが,とくに第一に水を含め食料,資源の確保,第二に,環境問題をはじめ,自然と生態系の維持という課題を突きつけられており,このいずれの分野にもファイバーが重要なかかわりを持っている。編集委員会では,「生体に学ぶものづくり」の視点で,今後のものづくりの考え方について議論を重ねてきた。以下a.~f.にその概要と将来への期待を示す。 a.生物と工学の関係は,専攻分野によりアプローチの方法が異なる。一般に,工学から生体の機能解明に向けてアプローチする方法と,生体機能の解明とその成果を工学的に応用する立場とがある。ファイバーの立場から見て期待されるのは,①バイオテクノロジーの基本となる分子,細胞,遺伝子などミクロの構造に関するもの,②工学計測に応用される,生体の持つ内界,外界に対するセンサー機能,③バイオコンピュータ,バイオエレクトロニクスのかかわる脳,神経など生体が持つ情報処理,制御機構など,④生体のマクロな形態,機能,運動などの発現機構,⑤環境変化に応じてセンシングしたり,さらに応答して自身の物性を変化させたり,自己修復するインテリジェント材料(動的機能材料)および生体バイオミネラルを形成するバイオミネラリゼーションなどである。いずれも多種多様な素材の研究開発から創製につながる重要なものが多い 2),3)。 b.生物は,発生や成長の過程で環境に適応しながら,常温,常圧でかつ,省エネルギーで,環境に負荷を掛けることなく,微視的なレベルから巨視的なレベルにいたるまで,精密で強度や柔軟さを持った構造体を作り上げている。しかも,生体の多くは,自然の摂理(形態やプロセスやシステムなど),化学,物理を巧みに利用している。そして長い時間かけ,少ないエネルギーで自己組織化により規則的な階層構造物を形成している 4)。生物は様々な機能を持つ構造体を仕上げているので,人工系では,かなわないことが多い。この自己組織化の規則的な階層構造を人工のエンジニアリングで,容易に作れるようになれば,構造体を作るための省エネ,省資源のみならず,循環型の持続可能な社会の形成にも役立つことになる。 c.近年,国家プロジェクトでは,研究投資に対して,成果が厳しく問われるようになってきた。これにはいろいろな考え方があるが,純粋研究者と応用の研究者の両方に共通して注目されているのが,“生体に学ぶ”視点である 5~7)。地球や,自然および生態系から動物,植物や,昆虫,微生物,細胞にいたる多くの分野でその形態と機能が注目されて,そのメカニズムにサイエンスのメスが入り,明らかにされつつある。しかも,昨今,国のプロジェクトをはじめ,いくつかの大学や産・学連携組織などでも,自然に学んだものづくりが徐々に動き出している。2002年に発足した「セキスイ 自然に学ぶものづくり研究助成プログラムも」もその一例である 8),9)。 バイオミメティックスに関する著書も出版されているが,熟読玩味すると意外とファイバーがキーにな っていることが多い。 本書の第1編で執筆しているジュリアン・ヴィンセント教授は,人間の特許技術と自然の発明を調査して比較した結果,工学上の問題を解決してきた方法と自然界の問題解決法がオーバーラップする部分は,わずか10%である。裏返していえば90%が未開拓なものであり 10),これはバイオミメティックスのニューフロンティアの研究開発が次世代も続くことを示している。 化学・合成繊維産業は,「バイオミメティックス」(生体模倣技術)の言葉が定着するよりかなり前からこの技術を使っていた。1884年のフランスのシ ャルドンネが絹に憧れて発明した「シャルドンネ絹」は,いわゆる,レーヨンである。また20世紀中頃の1937年米国のカローザスが絹のアミド結合を持つポリアミド繊維の「ナイロンファイバー」を発明した。これは,1938年Du Pont社より「クモの糸より細く……,絹より美しい」と発表され,絹を席巻した。その頃,欧米を中心に,新しい合成繊維部材である綿に学ぶ「ポリエステルファイバー」,さらに,羊毛に学ぶ「アクリルファイバー」が登場し,一世を風靡した。一方,日本の合成繊維工業は,天然繊維のバイオミメティックスに学び,優れた数々の繊維改質や加工技術の開発を行 ってきた。日本の合繊産業界の技術開発のレベルは世界でも卓越しており,絹の風合を超えた「新合繊」を開発している。まさに,合成繊維の歴史は,バイオミメティックスの歴史であったといっても過言ではない 11),12)。合成繊維は「衣料」ばかりでなく,産業用繊維資材として幅広く多く使われているが,重要なのは,ナイロン,ポリエステル,アクリルに代わる次世代の新しい繊維の創製である。 バイオミメティックスの成功の要因は,ファイバーがマトリックス構造に複合された高次組織構造に学び,そのモデルを,その構造と機能に求めたことによる。生体に学ぶ,深耕化の重要性,有効性を理解することが必要である。 しかし,合繊産業でのバイオミメティックスの成功は,まだ,自然のひとかけらに過ぎない。羊毛の一つをと っても,人工的には組み込むことが困難な生物の機能的(組織構造)な差別化性能がきわめて精巧に仕掛けられている。宝石のように輝く鳥の羽根,環境適合性の高い,省エネ的プロセスによる,自己組織化された有機・無機超分子複合体などを満足に模倣したとは,とても言い難い。 d.今後に開発すべき典型的な例としては,生体に学ぶファイバー設計がある。とくに,環境変化をセンシングし,それに反応して,自身の物性を変化させたり自己修復する機能材料,すなわち,インテリジェント材料である。例えば,血液凝固におけるフィブリンファイバーや創傷冶療・肝再生や両生類の変態時におけるコラーゲンファイバー,ファイバー複合材料としての生体組織,細胞外マトリックスと細胞応答,動物ファイバーと植物ファイバーの比較機能学,遺伝子工学を利用したスーパーファイバーの創製,バイオミネラリゼーションに学ぶ骨修復機能ファイバーなどがそうである。これらのインテリジェンス溢れたファイバーの挙動については枚挙にいとまがない 13)。実際に生体はファイバーの塊と見ることもできる。生体が何故これほどにファイバー状の形態を多用しているのか,ファイバー構造を用いることの利点は何か,これらを含めた生物の知恵の解明は多方面の新しい市場(顧客)ニーズに対する技術・シーズを生むものと考えられる。本書の題名に“ファイバー”を付けた一つの理由はそこにある。したがって着衣の糸や織物に直結するファイバーにのみこだわることは全くない。 e.人類は太古よりヒトの持つ機能の模倣,あるいは代替としてマクロな道具や機械を作ってきた。衣料作りについていえば,「手作業」は,産業革命以後急速に機械で代行されるようになり,ヒトの「動力」もやがてモーターで置き換えられた。20世紀後半にはヒトの操作,制御,管理などの「知能」が機械で置き換えられ,繊維工業は他産業に先駆け巨大な自律・自動のものづくりシステムを実現した。現在は生産の即応性,製品の多様化に対応すべく,多機能と汎用性の追究から機械のロボット化が進められている。今後のわが国社会の急速な高齢化に向けては,介護支援ロボットの開発が急務であり,従来なかった柔らかくて,軽くて強いロボットの開発が求められている。ヒトを含め生物生体の大きな特徴は,柔軟で軽く,なおかつ強いことである。その特徴は,構造面では生体の微細なファイバーの多層構造により実現されていることを見失ってはならない。微細ファイバー構造の柔らかい機械ができれば画期的で,多方面の技術のブレークスルーとなる。また,バイオミメティックスの観点から将来とくに期待が持たれるのは,消化器官や血管内を自走して検査,薬剤投与,手術治療を行うマイクロ医療ロボットである。これについては,鞭毛ファイバーをらせん状のスクリューとして移動するバクテリア鞭毛モーターの究明が魅惑的な夢と意欲を与えてくれる 14)。 f.ファイバーにおける生体機能の超越模倣技術が「“ファイバー”スーパーバイオミメティックス」であるから,ファイバーにおける生体機能を応用する技術は「ファイバー・バイオニクス」であるといえる。「バイオニクス」という表現は,1960年に米国においてキトー(Keto)により使われていた言葉で,生体機能の工学的シミュレーション(生体模倣)を目指すものであった。生物利用技術が「バイオテクノロジー」と呼ばれるようになったのに対し,生物機能模倣技術を「バイオニクス」と呼んでいたようである。現在は,「バイオテクノロジー」と「バイオミメティックス」が「ナノテクノロジー」により有機的に融合された技術へと進化している。つまり,「生体機能の工学的シミュレーション技術」は「生体機能を援用,模倣,超越模倣,再生,複合(デバイス,組織レベル),融合(原子,分子,細胞レベル)する技術」へと展開している。このような様々な生体機能の応用技術を総称する言葉として,今まさに「生体機能を応用する技術」=「バイオニクス」という表現がふさわしい。したがって,ファイバーにおいては「ファイバー・バイオニクス」であり,これにより創出されたファイバー材料および技術を「バイオニック・ファイバー」,「バイオニック・ファイバー・テクノロジー」と提言できる。 以上を考慮して,本書では,前述したような多くの先端産業にかかわり,とくに応用範囲の広いファイバー関連をベースに焦点をあわせて,多くの専門家の方たちに執筆をお願いした。また,ナノファイバーの開発には産業戦略的な意味もある。近年では,欧米を中心に膨大な開発費を使って天然ファイバーの基本単位であるナノファイバーの開発競争が行われている 15)。生体の中で合成反応がどのように進むか。これまでは観測が困難なため,生体素材の開発研究が阻止されていた。しかし,「ナノファイバー」時代に代表される,超微小世界の測定,合成技術の躍進で,ようやく生体の知恵を人工に生かす手立てが見え始めた。そこで本書では,次世代に開花が待たれている現状を踏まえ,バイオミメティックスに豊富な実績を持つファイバーとその関連に焦点を絞 って紹介するのは,次世代のものづくりに近道と判断したからである。 本書の第1編は,「知る」ことで,設計論から入る。「生体ファイバーの構造機能設計入門」である。生体は,工業設計の良いモデルとなるために,生体における機能発現の階層構造を明らかにすることが,重要である。ここでは過去・現在・未来を通じて生体のメカニズムの知恵に学び,構造と機能のデザイン,生物材料物性,生物の運動機能デザイン,生体のものづくりを中心に記述していただいた。 第2編は,生体に「学ぶ」ものづくりである。生体には,成長するにつれて,自然に,微視的,巨視的構造を作り上げ,しかも自己組織化で作られた構造物が多く,自然の摂理,すなわち物理,化学の原理に則って,構造と機能が精巧に仕組まれている。その内容,すなわち,生物ファイバーの生成と構造形態,バイオミメティックスファイバーについて,サイエンスのメスで解明していただいた。 第3編は,生体を「究める」ものづくりである。本編は本書のスーパーバイオミメティックスの骨格をなすといってよい。バイオミメティックスを深く究め,表皮・骨格構造機能,物質分離・変換・輸送機能,エネルギー変換機能,情報制御機能,運動リズム機能に焦点を絞って,執筆いただいた。 第4編は,生活と環境に「活かす」ものづくりである。スーパーバイオミメティックスの視点で,生活や環境に,どのように活かされているか,また,活かしていくべきかを重点に記述をお願いした。例えば,健康福祉・医療,環境・エネルギー対策,高度IT(情報技術)化社会やフロンティアファイバー・安全対策・危機管理などである。 第5編は,生体を「超える」ものづくりである。ナノファイバーの数年後の市場規模が拡大される中でターゲットを絞った部材を中心に,ナノファイバーの基盤技術,スーパーバイオミメティックス,さらにナノファイバーの解析技術の展開をお願いした。 第6編は,近未来を「創る」ものづくりである。今後,数十年後を視野に入れたものづくりに,数兆円が期待されている。その中でもとくに,ナノファイバーのナノエンジニアリング,ナノ・バイオ融合テクノロジー,さらにこれらの近未来技術へのアプローチの在り方を議論していただいた。 本書の企画がわれわれの所に舞い込んだのは,2004年12月である。当初繊維学会は,創立60周年記念事業の一環として,日本科学未来館との共催で『みらいせんい展』を実施する計画を進めていた。しかし諸般の事情により事業委員会でなく,学会主催に変更し,『みらいせんい展』(疾走するファイバー展とイベント展『ファイバーが生命・地球・宇宙で奏でる壮大なオーケストラ』)を,2004年6月28日~8月末の約2カ月間実施し 16),成功を収めた。この年,2004年10月にNEDOの委託で欧米の「ナノファイバーテクノロジーの調 査」 17)を,続いて2005年9月にNEDOの国内の「ナノファイバー技術を用いた実用化課題」 18)の調査を進めていた。(株)エヌ・ティー・エスの編集企画部部長の松風まさみ氏から熱心に企画提案があったのが,前述の2004年12月であり,検討の結果受けることになった。発刊を決意した動機は,とくに,EU,米国の,ナノファイバーが次世代のグリーンコンポジットはじめIT,バイオ,環境分野に幅広い展開を見せており,日本で研究開発を進めるにあたって,そのポテンシャルを確かめておく必要があったからである。 これからは「研究の現場主義」の考えが重要となる。日本の国全体の研究開発費は5兆円(国はその2割,残りは民間)くらいといわれる。夫々の立場で作る技術戦略マップを活用し,特許情報や先端学術動向から自分達の取り組むべき技術を絞り込み,「世界一」,「日本オリジナル」,「川上~川下という垂直連携の産業構造の最大活用」という夫々の立場に合 った「真の産・学連携」を求めることが最も早い重要なものづくりの一つの手法になる。 2006年6月1日付のNEDOのホームページで,この新しいタイプの従来技術とは不連続の『ナノファイバーテクノロジーの国家プロジェクト』が発表され,本格的に離陸した。さらに,本書を活用し,より広い分野の技術課題を突き詰めて,早く,タイミングよく,しかも相互のトレードオフや共鳴・融合・相互関係を把握して全体を最適化した研究開発プロジェクトが離陸することを期待している。ものづくりの役に立たないハンドブックでは,ただの紙くず同然と思っているからである。 この企画は,執筆人の選定から執筆依頼,さらに催促など,「みらいせんい展」に勝るとも劣らない大事業であったが,期待通りの内容のある本書ができたことは,執筆者並びに編集委員会,関連各位のおかげであると感謝の気持ちで一杯である。 今回海外の著名なこの道の多忙な第一人者らを執筆陣に加えることができたのは幸運であった。 終わりに,ご執筆は,ファイバーやファイバー以外の広い関連分野にまでに幅を広げ,多くの分野の専門家にお願いしたわけであるが,大変ご多忙中のところを快く執筆して下さった多くの方々に衷心よりお礼を申し上げる。また,編集幹事をはじめ,編集委員および編集協力者の先生方に,終始熱心に議論を重ねていただいた。厚くお礼を申し上げる。 本書の発刊によって,ものづくりを業にする者にと って現在よりも有効なものを「見える技術」として一つでも多くのものが,一日も早く世に出,日本の新産業創成に役立つことを願ってやまない。 2006年10月 編集委員会を代表して <本宮 達也> 【引用・参考文献】 1) 編集代表 長田義仁:バイオミメティックスハンドブック, (株)エヌ・ティー・エス(2000). 2) 化学工学協会編:バイオミメティック・エンジニアリング, さんえい出版(1988). 3) 黒田裕之, 西谷孝子:バイオミメティクス概論, コロナ社(1994). 4) H. Tributsh著(渡辺正訳):動物たちの生きる知恵, 工作舎(1995). 5) バイオメカニズム学会編:生物に学ぶバイオメカニズム, 工業調査会(1987). 6) バイオメカニズム学会編:人間機能のバイオメカニズム, 工業調査会(1987). 7) 志村史夫:生物の超技術, 講談社(1999). 8) 自然に学ぶものつくり, 平成15年10月16日, 積水化学(株), 自然に学ぶものづくり2004, 平成16年10月14日, 積水化学(株) 9) 赤池学:自然に学ぶものつくり, 東洋経済新報社(2005). 10) J. M. Benyus:Biomimicry―Innovation Inspired, by Nature, HarperCollins Publisers. Inc,(1997);山本良一監訳, 吉野美那子訳:自然と生態に学ぶバイオミミクリー, オーム社(2006). 11) T. Hongu, G. O. Phillips:NEW FIBERS. Second edition, Woodhead Publishing Limited,(1997)(First published, 1990, Ellis Horwood Ltd). 12) T. Hongu, G. O. Phillips and M. Takigami:New Millennium Fibers. Woodhead Publishing Limited:UK.(2005). 13) 赤池敏宏:生態機能材料学, コロナ社(2005). 14) 渡辺正編:バイオに学びバイオを超える, 日本評論社(2004). 15) 本宮達也:図解 よくわかるナノファイバー, 日刊工業新聞社(2006). 16) みらいせんい展[「疾走するファイバー展」と「イベント展」(ファイバーが生命・地球・宇宙で奏でる壮大なオーケストラ)], ●繊維学会(2004). 17) 国際共同研究先導調査事業実施報告書「省エネルギーに繋がるナノファイバーテクノロジー先導技術調査」平成16年3月, NEDO. 18) ナノファイバー技術の実用化課題に関する調査報告書, 平成17年1月, ●旭リサーチセンタ ー.
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