■特集I　ペンギン～行動と研究最前線

鳥類であり ながら ， その生活範囲を「空」 ではなく「海」 を選んだペンギン。
短い脚でヨチヨチ歩く 愛ら しい姿に似合わず， 極寒の南極の氷原に生き， 深い海に潜って活動できるだけの強靭な肉体を持つ。
その生態の研究は， 過酷な環境に赴く 研究者によるフィ ールドワークと ともに， 各種のセンサー類をペンギンに直接背負わせて計測するバイ オロギングによって進めら れている。
ま た， その進化や環境適応についてのゲノ ム研究も進んでいる。
本特集では， 身近であり ながら 謎を秘めたペンギンを多面的に解説いただく 。
保護・ 保全の現状にも触れ，その進化， 生態をじっく り 体験できる水族館， 博物館の話題も紹介する。


巻頭グラビア
長崎ペンギン水族館で“日本最多”9種類のペンギンに会う （長崎ペンギン水族館）
楠田　幸雄（長崎ペンギン水族館）

巻頭グラビア
ペンギンが見た海の中
森　貴久（帝京科学大学）

巻頭グラビア
日本にもペンギンがいた？ （足寄動物化石博物館）
安藤　達郎（足寄動物化石博物館）


トビラ

特集I-総論
ペンギンの生物学：入門編 ペンギンの現在・過去・未来を知るために
森　貴久（帝京科学大学）

特集I-1
ペンギンの進化と多様性 明らかになりつつあるペンギン進化の全体像
安藤　達郎（足寄動物化石博物館）

特集I-2
ペンギンの潜水能力のひみつ バイオロギングで明らかになった生理メカニズムと行動パターン
塩見　こずえ（国立極地研究所）

特集I-3
比較ゲノムでペンギンの適応進化を探る ペンギンゲノムに刻まれた環境適応の歴史
阿部　秀明（佐渡トキ保護センター）

特集I-4
ペンギンの保全と繁殖への取り組み ペンギンと人間の関係について総合的理解を深めるための歩み
上田　一生（ペンギン会議）

特集I-5
気候変動とペンギンの生態 寒冷化／温暖化による海氷の変化との関連が明らかに
國分　亙彦（国立極地研究所）

■寄稿--------------------
寄稿
年頭所感～ノーベル賞2018と遺伝学
五條堀　孝（国際総合学術事務所）

寄稿
2018年度ノーベル・生理学医学賞解説 免疫チェックポイント阻害剤の 作用機序と開発過程
河本　宏（京都大学）

■連載--------------------
裏山の昆虫誌
アオマツムシ Vol.29
丸山　宗利（九州大学総合研究博物館）／小松　貴
実験観察の勘どころ
生物そのものを観て， 触れて， 発想を豊かに
半本　秀博（放送大学埼玉学習センター）

実験観察の勘どころ
神経興奮と筋収縮の関係を簡易に調べる 安価に簡易型刺激装置を作成する
藍　卓也（成城学園中学校高等学校）

生物のナビゲーションに学ぶ
イヌとヒトの関わりから見た ナビゲーション研究 ［第6回］
永澤　美保（麻布大学）

大学入試「生物」を攻略する
2018年度プレテストを振り返る ［第19回］
プレゼンター：道上　達男（東京大学）

Hot & Cool サイエンスカフェへようこそ
東北大学サイエンスカフェ [vol.1]
吉澤　誠（東北大学）

Hot & Cool サイエンスカフェへようこそ
福岡のサイエンスカフェ [vol.2]
松本　祐典（ピノー株式会社）