接着工学 第2版 ~接着剤の基礎、機械的特性・応用~
ISBN978-4-86043-907-1 C3058
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- 発行所:エヌ・ティー・エス
商品説明
◆ 書籍概要 ◆
・初版から15年を経て大改訂!! ・接着接合の基礎科学から接着剤の試験と特性評価、工業用途まで、各分野の専門家が詳細かつ体系的に解説 ・応力、疲労、衝撃加重、残留強度、耐久性などのさまざまな特性、建築、自動車、船舶、製靴、エレクトロニクス、航空宇宙などへの適用と幅広く網羅 ・現在のトレンドである異種材料の接合や軽量構造を実現する構造用接着剤、構造物のリサイクルに不可欠な接着剤の分解もフォーカス ・接着接合分野のトレンドがわかる1冊!! 原書:『Adhesive Bonding Second Edition―Science, Technology and Applications』 (Woodhead Publishing,2021) 原著者:Robert D. Adams 発刊日:2024年11月 頁 数: 約730頁 造 本:冊子版 B5/PDF版【CD or ダウンロード】(直取引のみ) 発行所:(株)エヌ・ティー・エス ISBN :978-4-86043-907-1 C3058 ■著者 監訳 佐藤 千明 ■主な目次 監訳 佐藤 千明 第1部 接着の基礎 第1章 接着剤接合の歴史 第2章 接着剤やシーラントとは,どのようなもので,どのように機能するのか? 第3章 表面:評価方法 第4章 最適な接合強度を設計するための表面処理 第5章 接着剤の特性 第2部 機械的特性 第6章 接着接合部の応力解析 第7章 環境(耐久性)の影響 第8章 接着接合部の非破壊検査 第9章 接着接合部における高速負荷と衝撃について 第10章 接着接合部の破壊力学 第11章 疲 労 第12章 振動減衰 第13章 同種材料および異種材料の接合 第14章 接着接合部の解体・分離,および環境ならびにリサイクルの問題に及ぼす影響 第15章 高負荷構造物の接着修理 第16章 複合材料の接着接合 第17章 建築および建設用の鋼とアルミニウム 第18章 木造建築と建設―木材工学と木質製品 第19章 自動車 第20章 ボートと海洋 第21章 製靴産業における接着 第22章 電気・電子 第23章 接着剤による航空宇宙産業への応用例 第1部第1章、第2部第14章をブラウザ上でご覧いただけます。 全文試読は【デジふろ】よりご利用下さい。(ご登録が必要です) ★関連書籍のご案内 接着界面解析と次世代接着接合技術 濡れ性 ~基礎・評価・制御・応用~
◆ 詳細目次 ◆
第1部 接着の基礎
第1章 接着剤接合の歴史
(Paul A. Fay 著/若林 一民 訳) 1.1 まえがき 1.2 自然界に存在する接着剤 1.3 先史時代の接着剤 1.4 古代文明:エジプト人,ギリシャ人,ローマ人 1.5 中世の芸術家 1.6 中世の文学 1.7 ルネサンス期の科学と哲学 1.8 接着剤製造の工業化 1.9 合成高分子の登場 1.10 現在の状況 第2章 接着剤やシーラントとは,どのようなもので,どのように機能するのか?
(John Comyn 著/秋山 陽久 訳) 2.1 はじめに 2.2 バルク特性 2.3 溶剤消失により硬化する接着剤 2.4 水分が失われることで硬化する接着剤 2.5 冷却で固まる接着剤 2.6 化学反応により硬化する接着剤 2.7 感圧式接着剤 2.8 物理吸着による接着性 2.9 化学結合による接着性 2.10 接着の静電理論 2.11 機械的嵌合 2.12 相互拡散による接着 2.13 弱い境界層 2.14 感圧接着性 第3章 表面:評価方法
(John F. Watts 著/大久保 雄司 訳) 3.1 序 論 3.2 表面形状 3.3 表面熱力学 3.4 表面化学分析 3.5 XPS とToF―SIMS による組成深さ方向のプロファイリング 3.6 故障した接合部の科学的分析 3.7 まとめ 第4章 最適な接合強度を設計するための表面処理
(Gary W. Critchlow 著/高橋 佑輔 訳) 4.1 はじめに 4.2 表面洗浄 4.3 金属の一般的な前処理 4.4 ポリマー用前処理 4.5 ガラスの前処理 4.6 まとめ 第5章 接着剤の特性
(Gregory L. Anderson and David J. Macon 著/髙橋 明理 訳) 5.1 序 論 5.2 化学的/物理的特徴および性質 5.3 電気的特性 5.4 プロセスパラメータ 5.5 機械的特性 5.6 機械的能力 5.7 結 論 第2部 機械的特性
第6章 接着接合部の応力解析
(Alireza Akhavan-Safar, Eduardo A. S. Marques, Ricardo J. C. Carbas
and Lucas F. M. da Silva 著/関口 悠 訳) 6.1 はじめに 6.2 応力の種類と発生源 6.3 解析的手法 6.4 数値解析的手法 6.5 まとめ 第7章 環境(耐久性)の影響
(John Comyn 著/島本 一正 訳) 7.1 序 論 7.2 紫外線による酸化劣化を抑制する添加剤 7.3 湿潤環境下における金属被着体を用いた構造用接着接合部 7.4 水と接着剤 7.5 水と接着界面 7.6 水以外の溶液 7.7 木材接着 第8章 接着接合部の非破壊検査
(Robert L. Cranea, John Hart-Smithb and John Newman 著/長谷川 剛一 訳) 8.1 はじめに 8.2 従来の超音波技術 8.3 ボンドテスター 8.4 品質管理と目視検査 8.5 接着面汚染 8.6 高速走査方法 8.7 環境劣化のモニタリング 8.8 結 論 第9章 接着接合部における高速負荷と衝撃について
(佐藤 千明 著/訳,Stephan Marzi 著) 9.1 はじめに 9.2 高負荷速度と衝撃の定義 9.3 高速負荷や衝撃を受ける接着接合部の変形 9.4 実験方法と規格 9.5 衝撃荷重を受ける接着剤接合部の設計 9.6 まとめ 第10章 接着接合部の破壊力学
(David A. Dillard 著/関口 悠 訳) 10.1 はじめに 10.2 破壊のエネルギー基準 10.3 応力拡大係数を用いる手法 10.4 エネルギー解放率を用いる手法 10.5 熱力学的な接着仕事,固有接着仕事,および実用的な接着仕事 10.6 破壊エネルギーの実験的評価 10.7 接着剤層厚さの影響 10.8 混合モードの影響 10.9 耐久性 10.10 破壊力学を用いたデザイン 10.11 最近の動向と現在の研究分野 10.12 結 論 第11章 疲 労
(Ian A. Ashcroft and Aamir Mubashar 著/北條 恵司 訳) 11.1 はじめに 11.2 疲労の一般的概念 11.3 疲労寿命予測 11.4 破壊力学的アプローチ 11.5 強度および剛性低下からのアプローチ 11.6 損傷力学アプローチ 11.7 クリープ疲労 11.8 衝撃による疲労 11.9 疲労強度の向上 11.10 まとめと今後の展望 第12章 振動減衰
(Martin Hildebrand and Robert D. Adams 著/佐藤 千明 訳) 12.1 はじめに 12.2 構造物における減衰 12.3 接合部の摩擦によるダンピング 12.4 構造用接着剤によるダンピング 12.5 拘束型減衰処理と非拘束型減衰処理 12.6 接着剤接合部の振動減衰に関する実験データ 12.7 今後の動向 第13章 同種材料および異種材料の接合
(Ewen J. C. Kellar 著/関口 悠 訳) 13.1 はじめに 13.2 接合部の設計 13.3 接着剤の選択 13.4 表面処理 13.5 製造工程での問題点とハイブリッドジョイント 13.6 今後の動向 第14章 接着接合部の解体・分離,および環境ならびにリサイクルの問題に及ぼす影響
(佐藤 千明 著/訳,Ricardo J. C. Carbas, Eduardo A. S. Marques,
Alireza Akhavan-Safar and Lucas F. M. da Silva 著) 14.1 はじめに 14.2 接着剤による環境への影響 14.3 環境問題への挑戦のための基本戦略 14.4 解体性接着剤の種類と特徴,用途 14.5 最近の進捗状況 14.6 将来の技術的シーズ 14.7 結 論 第15章 高負荷構造物の接着修理
(Alan A. Baker and Hamed Y. Nezhad 著/内藤 公喜 訳) 15.1 はじめに 15.2 金属製部品の修理 15.3 複合材料部品の補修 15.4 材料工学 15.5 接着修理における構造健全性評価 15.6 補 強 15.7 結 論 第16章 複合材料の接着接合
(Peter Davies 著/小熊 博幸 訳) 16.1 序 論 16.2 複合材料特有の性質 16.3 接着接合を用いた複合材料部品の設計 16.4 表面の前処理 16.5 試 験 16.6 接着剤層厚さの影響 16.7 接着接合した複合材料構造物の実例 16.8 耐久性と長期にわたる性能 16.9 将来の動向 16.10 情報源 第17章 建築および建設用の鋼とアルミニウム
(Till Vallée and Matthias Albiez 著/石川 敏之 訳) 17.1 はじめに 17.2 接着剤選びの一般論 17.3 接着接合部の強度 17.4 表面処理 17.5 その他の影響 第18章 木造建築と建設―木材工学と木質製品
(Magdalena Sterley, Erik Serrano and Björn Källander 著/堀 成人 訳) 18.1 概 要 18.2 木質材料の基礎と応用 18.3 木材の特性 18.4 木材と接着剤の接着形成と性能 18.5 強度と耐久性 18.6 よくある不具合と試験法,品質管理 18.7 修 理 18.8 使用例 18.9 今後の動向と参考文献 第19章 自動車
(Klaus Dilger 著/泉水 一紘 訳) 19.1 はじめに 19.2 基本要求 19.3 接着剤への要求特性 19.4 下地処理 19.5 強度・耐久性 19.6 よくある不良要因 19.7 検査,試験,品質管理 19.8 修繕,リサイクル 19.9 その他の業界固有要素 19.10 実用例 第20章 ボートと海洋
(Markku Hentinen 著/岩田 知明 訳) 20.1 基本的な要求 20.2 接着剤接着特性の要求事項 20.3 表面処理 20.4 強度と耐久性 20.5 一般的な欠陥 20.6 検査,試験,品質管理 20.7 修 理 20.8 利用事例 20.9 将来の動向 第21章 製靴産業における接着
(José Miguel Martin-Martinez 著/佐藤 千明 訳) 21.1 はじめに 21.2 靴接着プルトコルの概要 21.3 上部材の表面処理 21.4 靴底の表面処理 21.5 靴の接着に使用される接着剤 21.6 テスト,品質管理,耐久性 21.7 今後の動向 第22章 電気・電子
(V. Nassiet, B. Hassoune-Rhabbour and O. Tramis and J-A Petit 著/上山 幸嗣 訳) 22.1 はじめに 22.2 基本要求 22.3 接着剤の特性 22.4 表面処理 22.5 強度と耐久性信頼性 22.6 よくある不具合 22.7 検査,試験,および品質管理 22.8 使用例 22.9 結 論 第23章 接着剤による航空宇宙産業への応用例
(John Hart-Smith 著/武田 一朗,佐藤 千明 訳) 23.1 はじめに 23.2 設計・解析に必要な接着特性 23.3 表面処理 23.4 接着剤による接合部の設計 23.5 接合部の耐久性を確保するための設計上の工夫 23.6 剥離や多孔質周りの荷重再分配 23.7 接合部の強度に及ぼす被着体間の熱的不一致の影響 23.8 検査,試験,および品質管理 23.9 接着補修と見かけの剥離後の残存強度の推定値 23.10 その他の業界特有の要因 23.11 航空機構造物における接着剤による接着の使用例 23.12 経験則
◆ 執筆者一覧 ◆
【監修者】
佐藤 千明 東京科学大学 総合研究院 未来産業技術研究所 【訳者】
若林 一民 エーピーエスリサーチ 秋山 陽久 国立研究開発法人産業技術総合研究所 ナノ材料研究部門 接着界面グループ 大久保 雄司 大阪大学 大学院工学研究科 高橋 佑輔 株式会社神戸製鋼所 材料研究所 表面制御研究室 髙橋 明理 株式会社フジクラ 光応用技術R&Dセンター 関口 悠 東京科学大学 総合研究院 未来産業技術研究所 島本 一正 国立研究開発法人産業技術総合研究所 ナノ材料研究部門 接着界面グループ 長谷川 剛一 三菱重工業株式会社 総合研究所 製造研究部 製造第四研究室 佐藤 千明 東京科学大学 総合研究院 未来産業技術研究所 北條 恵司 国立研究開発法人産業技術総合研究所 ナノ材料研究部門 接着界面グループ 内藤 公喜 国立研究開発法人物質・材料研究機構 構造材料研究センター 材料創製分野 高分子系複合材料グループ 小熊 博幸 国立研究開発法人物質・材料研究機構 構造材料研究センター 材料創製分野 高分子系複合材料グループ 石川 敏之 関西大学 環境都市工学部 堀 成人 東京大学 大学院農学生命科学研究科 泉水 一紘 日産自動車株式会社 車両生産技術開発本部 生産技術研究開発センター 岩田 知明 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所 構造・産業システム系 上山 幸嗣 三菱電機株式会社 先端技術総合研究所 マテリアル技術部 機能性材料グループ 武田 一朗 Composite Materials Research Laboratory, Toray Composite Materials America, Inc.
= 日本語版へのまえがき = 本書は,2005 年に出版された原著を大幅に改訂したものである。初版と同じ形式を保ちつつ,いくつかの章を追加して全面的に書き直した。第1 部では基礎科学をカバーし,第2 部では接着剤の試験と特性評価に関する情報を提供している。最後に,接着剤が工業用途でどのように使用されているかを示す7 つの章がある。 最初の章はFay によるもので,先史時代から現在に至るまでの接着の歴史に触れている。この章では,初期の接着剤が樹木の樹脂やアスファルトといった自然界に存在する材料をどのように使用していたのか,そしてそれらの有用な特性を向上させるために,さまざまな工業的プロセスを経てどのように改良されていったのかを示している。しかし,化学者が合成高分子を発明し,それが今日の接着剤に発展したのは20 世紀になってからのことである。 次の章ではComyn が,現代の接着剤とは何か,その物理的特性は何に基づいているのか,どのように硬化するのか(そして有用になるのか)について説明する。彼は,粘着テープから高じん性エポキシまで,現代の接着剤の化学構造を説明する。Watts は,表面の性質と,さまざまな物理的試験を用いて接着適性を評価する方法について説明する。続いてCritchlow が良好な接着可能表面を実現する方法について説明する。洗浄だけでなく,さまざまな化学的前処理を紹介し,良好な初期接着を実現するだけでなく,環境からの攻撃にも耐えられる方法を示す。AndersonとMacon は,高分子接着剤の一般的な特性について記述し,このセクションを終えている。 Akhavan-Safar,Marques,Carbas,およびda Silva による次の章では,試験片から実際の構造で予想されるものまで,さまざまな接合部の応力を解析する方法を扱っている。彼らは,弾性接着剤と延性接着剤の双方について,解析モデルと数値計算モデルの両方を検討している。この章ではComyn が,接合部が過酷な環境,特に水に曝された場合に発生する問題についても述べている。接着接合における主な課題の1 つは品質管理である。特に非破壊検査は重要であり,Crane,Hart-Smith,およびNewman がこれを取り上げている。彼らは従来の非破壊検査の限界を示すとともにレーザー衝撃法の有用性を示し,これ以外では経験豊かな人間の目が最も信頼できるツールの1 つであると結論づけている。 Sato とMarzi は,衝撃荷重の影響と,それらが準静的荷重とどのように異なるかを説明している。また,耐衝撃性接着剤は高いひずみ速度でも強度と延性を維持するため,これを使用すべきであることを示している。Dillard は,破壊力学がどのようにき裂伝播の理解に役立つかを示し,接着剤の破壊じん性を測定する試験について説明している。Ashcroft とMubashar は,疲労という重要なトピックを取り上げ,さまざまな荷重形態が構造物の耐久性にどのような影響を及ぼすかを解説している。金属に関する従来の研究から開発された予測方法を基に示しているが,ここではこれを高分子接着剤に適用している。Hildebrand とAdams は,振動減衰という重要なテーマを取り上げ,接着剤で接合した構造物が金属構造物とどのように異なるかを解説している。サンドイッチパネルとして,あるいはコーティングとして使用される非構造用途の制振高分子でさえも,その成否は接着による結合に依存している。Kellar は,溶接できない異種材料を接着剤で接合し,エネルギー効率が重要視される現代の輸送にとって重要な軽量構造を作ることが可能であることを示している。 構造物の寿命が尽きたときに,その全部または一部をリサイクルできるように,接合部を分解する必要が生じる場合がある。Sato,Carbas,Marques,Akhavan-Safar,およびda Silva は,接着剤に膨張性フィラーを組み込むことによって,これを実現する方法を検討している。また,強度や耐久性に及ぼす可能性のある影響について議論している。Baker とNezhad は,補修のためのさまざまなオプションについて,特に航空機の残留強度と剛性への影響,およびこれらの評価方法について考察している。軽量構造には,繊維強化複合材料の使用されることが多い。 Davies は,これらの材料の強度予測における問題点,特に正確な破壊基準の定義について述べている。また彼は,材料特性を正確に測定することの必要性に言及し,例えばサンドイッチパネルでは現実的な構造を用いて試験する必要性についても述べている。 Vallee とAlbiez は,建築構造物に使用される鋼鉄とアルミニウムを幅広く扱い,いくつかの実用例を挙げている。彼らは,ラボレベルの試験と実際の構造物との相違,特に変動荷重と環境要因の重要性に関して強調している。Sterley,Serrano,およびKallender は,建築用接着のテーマを木材や木質系材料による構造にも広げ,その基礎的な科学と実際の使用例を示している。 Dilger は,現代の自動車が溶接できない異種材料を用いるようになっており,その接合に構造用接着剤をますます使用するようになっている現状について述べている。これらの接着剤は,衝突に耐え,パネルの剥離を避け,かつ金属構造が変形により運動エネルギーを吸収できる必要がある。Dilger はまた,機械的締結手法(自己穿孔リベットなど)を接着剤と組み合わせたハイブリッド接合についても解説している。自動車用接着剤の多くは,カーペットやトリムの取り付けなど,非構造用途にも使用されている。Hentinen は,船舶および舟艇の構造における接着剤の使用について説明している。ここでは木材,繊維強化プラスチック複合材料(FRPC)サンドイッチパネル,スチール,アルミニウムなど,さまざまな材料が使用されている。船の大きさや機能は,セーリング・ディンギーから本船までさまざまで,海軍の掃海艇はガラス製のFRPC で作られることが多い。水に浮いている以上,船舶に用いられる接着剤はすべて,水漏れがなく,水による劣化に強くなければならないという明らかなニーズがある。例えば主要な構造に使用される構造用接着剤でさえ,外部パネルのシール機能を同時に提供している。接着剤の重要かつ広範な用途は製靴産業であり,そこでは多種多様な基材が,同様に多種多様な接着剤で接合されている。Martin-Martinez は,さまざまな種類の接着剤が,時には伝統的な縫製と組み合わされながら,最新の靴を作るためにどのように使用されているかを説明し,多種多様な基材に対する慎重な表面処理の必要性を強調している。Nassiet,Hassoune-Rhabbour,Tramis,およびPetit は,電子部品の封止から回路基板上のチップの接着に至るまで,電気・電子産業における接着剤の使用を取り上げている。彼らは,接着性が重要である一方で,熱伝導性や電気伝導性も重要であることを指摘している。現代のエレクトロニクスは,接着剤をうまく塗布できるかどうかに完全に依存している。また聖杯は,はんだ付けを導電性高分子接着剤に置き換えることであるが,その実現の遠い道のりはまだ遠いことも同時にして示している。最後にHart-Smith は,航空機構造について解説しており,その接着剤の主な用途は2 つあると述べている。彼は,最新の航空機用接着剤の典型的な応力-ひずみ特性と,それらが設計や機能にどのように寄与するかについて説明している。構造的な欠陥は深刻な結果をもたらすため,厳格な非破壊検査および品質保証手順とともに,適切な表面処理も必要かつ重要であることを示している。最後に,航空機産業における彼の生涯の経験に基づく推奨事項リストを示し,本章を締めくくっている。 接着剤の使用に慣れていない方,あるいは経験豊富な方であっても,安心感や新しいアイデアを必要としている方であれば,求めるもののほとんどを本書で見つけることができるだろう。著者はいずれも各分野の専門家であり,その多くは長年の経験を持つが,現在のトレンドにも精通している。各章は,基礎的な科学から多くの産業応用の解説まで,幅広いトピックをカバーしている。各章には包括的な参考文献リストが添付されている。 BSc[Eng ],DSc[Eng ]ロンドン,PhD,ScD ケンブリッジ ブリストル大学機械工学 名誉教授 International Journal of Adhesion and Adhesives 名誉編集長 R.D.Adams