生物の科学 遺伝 2024年11月発行号 Vol.78 No.6 特集 日本の淡水生カメ類の危機と外来種問題
ISBN978-4-86043-869-2 C3045
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商品説明
■特集 日本の淡水生カメ類の危機と外来種問題
日本にしか生息していないニホンイシガメは複数の要因によって全国的に減少し,絶滅の危機に瀕している地域も増えていると思われる。
一方,北米原産のミシシッピアカミミガメは日本列島全体に広く分布が確認され,さまざまな問題が顕在化してきている。
2023年,ようやくミシシッピアカミミガメが外来生物法のいわゆる条件付特定外来生物に指定された。
クサガメの外来性についても問題になっている。
特定外来生物のカミツキガメも定着地域が確実に増えている。
本特集では,日本の淡水生カメ類における危機と外来種問題を取り上げて,在来種の保全への理解を深めたい。
巻頭グラビア
ニホンイシガメ, クサガメ─生息環境と生態
渡瀬 英晃
カナダのカメ
佐久間 克宏(カナダ・オンタリオ州アルゴンキン州立公園)
特集 企画趣旨
日本の淡水生カメ類の危機と外来種問題
─ 特集企画に際して
楠田 哲士(岐阜大学)
特集 研究/普及啓発
日本列島の淡水ガメの研究の動向と進展
─ カメを取り巻く社会情勢はどう変化したのか?
谷口 真理(株式会社自然回復)
特集 生態・保全
日本に生息する淡水生カメ類の生活史特性に対応した保全対策
─ ニホンイシガメの現状と課題
加賀山 翔一(淡水生態研究所)
特集 保全事業
動物園におけるニホンイシガメの保全事業
─ 生息域外保全から地域と連携した普及啓発活動へ
北本 圭一(愛媛県立とべ動物園)/前田 洋一(元・愛媛県立とべ動物園)
特集 性決定様式
ニホンイシガメの温度依存型性決定と個体群性比
─ 生息環境は野生個体群の性比に影響を及ぼす
八木 夕季(トヨタ紡織株式会社)
特集 遺伝的撹乱の問題
クサガメ日本列島集団の起源とニホンイシガメに対する遺伝的撹乱
─ 遺伝子解析から見る外来種問題
鈴木 大(東海大学)
特集 外来種問題
野生化・定着するカミツキガメ
─ 日本での状況と千葉県印旛沼における防除事例
小林 頼太(NPO法人 カメネットワークジャパン)
特集 海外事例
カミツキガメのカナダ・オンタリオ州での保護活動
─ 産卵巣に保護枠を取り付け,生息数の増加を図る
佐久間 克宏(カナダ・オンタリオ州アルゴンキン州立公園)
■寄稿--------------------
寄稿
ザトウムシの染色体数の地理変異
鶴崎 展巨(鳥取大学名誉教授)
■連載--------------------
日本列島の多様な淡水生物~その進化と保全
九州のスジシマドジョウ
─ 氷期がつくった分布とこれからの保全
中島 淳(福岡県保健環境研究所)
実験観察の勘どころ
コムギ胚芽無細胞タンパク質合成系を用いてセントラルドグマを体感しよう
片山 豪(高崎健康福祉大学)
高校生物・ワクワク宣言!!
長年のニッポンバラタナゴの保護活動から発展したアオコと水質の研究
池永 明史(学校法人 清風学園 清風中学校・高等学校)
植物を集める!!
[第17回]メタセコイア
長田 敏行(東京大学名誉教授,法政大学名誉教授)